こんにちは!
トレーナー育成講師の井上裕司です。
筋トレをして筋肉が大きくなる。
有酸素運動を続けてミトコンドリアが増える。
これらはすべて、体内の「たんぱく質量」が増えた結果です。
つまり、どんな運動であっても「たんぱく質の再構築(合成)」が起きているということ。
では、そのためにどれくらいの「たんぱく質摂取」が必要なのでしょうか?

たんぱく質の摂取量|どのくらいが目安?
一般的に言われているたんぱく質の1日あたりの必要量は以下の通りです:
一般成人:体重1kgあたり0.7~1.0g
スポーツ愛好者やアスリート:体重1kgあたり1.5~2.0g
たとえば体重60kgの人であれば、60g〜120gが目安ということになります。
最近では「一般の人でも2.0g必要」といった意見も出てきていますが、共通して言えるのは「運動ありき」であること。
運動をしない状態でたんぱく質だけを増やしても、効果はあまり期待できません。
たんぱく質は摂取するだけじゃない|合成と分解のサイクル
ここで注目したいのが、「たんぱく質の出入り」は摂取と排出だけではない、ということです。
実際、体内では毎日以下のようなプロセスが行われています:
・体全体で約200gのたんぱく質が合成される
・同時に、約200gのたんぱく質が分解される
摂取量が60gだとすれば、それだけのアミノ酸が体内に入ってきて、アミノ酸プールと呼ばれる血中のアミノ酸貯蔵に加わります。
以下のような流れで回っています:
- アミノ酸プールに60gのアミノ酸が摂取される
- そこから200gが体内たんぱく質に合成される
- 同量の200gが分解されてプールに戻る
- 最終的に60gが排出される
このように、摂取量よりもはるかに大きな規模で「たんぱく質の合成と分解」は日々繰り返されています。
筋肉は常に生まれ変わっている
例えば、筋肉は約90日間で半分が入れ替わると言われています。
この代謝サイクルは、加齢によって徐々に遅くなっていくため、年齢が高い人ほど「分解が勝りやすい」傾向にあります。
つまり、若い頃と同じ摂取量・同じ運動強度では、筋肉を維持しにくくなるということです。
まとめ|たんぱく質は“摂る”だけでは足りない
たんぱく質=筋肉の材料という認識は正しいですが、重要なのは「摂取量」だけではありません。
✅ 合成と分解のサイクルをどう高めるか
✅ 運動との組み合わせで合成を優位にできているか
✅ 加齢による分解優位にどう対抗するか
こういった視点が、たんぱく質の真の活かし方なのです。
単に「多く摂ればいい」ではなく、“使われる体”をつくることがカギになります。
※本記事は、健康・栄養・トレーニングに関する一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断・治療を目的としたものではありません。
症状や体調に不安がある場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。
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