羽状筋と平行筋(紡錘状筋)。収縮力と収縮速度の関係

こんにちは!
パーソナルトレーナーの井上です。

解剖学の基本的な知識は、すべての運動指導者にとって必要な科目です。

少しでも参考になればと思いますので、是非ご覧ください。

筋力に関係する要因

筋力というのは、筋線維の発揮している力とイコールではありません。

個々の筋線維の発揮した力の合計値が張力になって、腱を介して骨に伝わった力を関節まわりのトルクが筋力です。

筋収縮力

トルクの量、つまり筋力は

筋線維の断面積、長さ、羽状角、モーメントアームの要因が影響しています。

ここで考えたいのが
①筋肉の長軸方向に対して直角な横断面を解剖学的断面積(ACSA)
②筋線維に垂直に横断した断面積を生理学的断面積(PCSA)

筋肉の走行と筋線維の走行が等しい筋肉のことを平行筋(紡錘状筋)と呼ぶのですが、
①ACSAと②PCSAは同じです。

筋肉の走行と筋線維の走行が異なる筋肉のことを羽状筋と呼ぶのですが、
①ACSAよりも②PCSAが大きくなります。

筋力が筋肉の断面積に比例するといわれており、筋線維に垂直に切った断面積に比例すると考えれば、

①ACSAと比較して②PCSAのほうが筋力に影響すると言えるのです。

なので、羽状筋は平行筋よりも高い筋収縮を発揮できる構造をもった筋肉と言えます。
※羽状角の増加により最大張力が増加するのは45°までと推定

筋収縮速度

筋線維の長さは断面積の大きさと同じで筋肉に影響を及ぼします。

収縮速度は、筋線維の長さに比例するといわれ、筋線維の長さが長いほど、筋収縮速度に優れた構造でなのです。

平行筋(紡錘状筋)では筋肉の長さと筋線維の長さは同じでありますが、

羽状筋では筋肉の長さよりも筋線維の長さが短いのです。

なので、羽状筋は平行筋(紡錘状筋)と比べ、②PCSAが大きく高い収縮力を発揮できますが、収縮速度は遅い筋肉と言えますね。

下半身の筋肉の②PCSAが最も大きいのはヒラメ筋。
筋線維の長さが長いのは縫工筋。

ヒラメ筋や大腿四頭筋は強い力を出すときに働きやすいと言えますが、速い動きにはなかなか働いてくれません。

一方、平行筋(紡錘状筋)である半腱様筋は強い力は発揮しづらいけど、速く動く際に活躍してくれます。

上半身の筋肉の②PCSAが大きいには上腕三頭筋。
筋線維の長さが長いのは上腕二頭筋。

筋線維の長さは、筋肉の収縮速度のほかにも、関節角度と筋力の関係にも影響を与えます。

筋線維の長さが長いほど、広い可動域で力を発揮できます。
筋線維の長さが短いほど、筋力を発揮できる可動域が狭いです。

筋線維の長さの短いヒラメ筋や大腿四頭筋は、収縮速度が遅いだけではなく、狭い可動域しか筋力発揮ができないということなのです。

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