グリコーゲンとは?体内での役割と水分保持による体重変動の仕組みを徹底解説

生理学
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こんにちは!
トレーナー育成講師の井上裕司です。

グリコーゲンとは、複数のグルコース(ブドウ糖)が鎖のように連なってできた高分子の糖質です。
血液中に溶けて流れるグルコースとは違い、グリコーゲンは高分子ゆえに水に溶けず、主に肝臓や筋肉の中に「固形のような形」で貯蔵されています。

これは、糖質を“溶けていない状態”で保管するための、身体の優れた仕組みとも言えるのではないでしょうか。

グリコーゲンがグルコースとして貯蔵されていたら?

仮に、体内にある約500gのグリコーゲンが、すべてグルコースとして水に溶けた状態で存在していたらどうなるでしょうか?

グルコースは水に溶ける性質があるため、大量の水分が必要になります。
実際にすべてをグルコースで保持しようとすると、なんと約15kgもの水が必要になると言われています。
つまり、体重がその分だけ増えてしまうことになるのです。

この点において、グルコースをグリコーゲンという形にして貯蔵することは、「水に溶けない=水を必要としない」状態で効率よく保存している工夫だと言えるでしょう。

とはいえ、グリコーゲンにも水は必要?

とはいえ、グリコーゲンも完全に乾いた状態で保存されているわけではありません。

たとえば、コーンフレークや煎餅などの乾燥した糖質食品を想像してください。
開封してしばらく放置していると、空気中の水分を吸って湿気ってきますよね。

この現象からも、「糖質は水を引き寄せる(=親水性がある)」と考えることができます。

体内のグリコーゲンも、乾燥した状態ではなく、細胞内液に包まれた“湿った状態”で存在しています。
そして、一般的に言われているのが、体内のグリコーゲン500gを保持するためには、およそ3kgの水が必要だということです。

つまり、グリコーゲンを貯めようとすると、その5〜6倍の水分も同時に保持されることになるのです。

グリコーゲンローディングで体重が増える理由

この性質を踏まえると、スポーツ選手が試合前に行う「グリコーゲンローディング」(糖質摂取を増やし、筋グリコーゲンを最大化する手法)にも、ある副作用が見えてきます。

グリコーゲンが増えることでエネルギーは確保されますが、それに伴い体重も増加します。
持久系の競技においては、この体重増加がパフォーマンスにマイナスに働く可能性もあるわけです。

絶食や運動で体重が減るのはなぜ?

運動や絶食によってグリコーゲンが枯渇すると、それに伴って保持していた水分も不要になります。
これが、数日間の絶食で体重が数kg減る理由の一つです。

ただし、ここで注意したいのは、減っているのは脂肪ではなく“水分”であることがほとんどだという点です。

グリコーゲンは1〜2日で枯渇するため、絶食をすれば比較的すぐに体重が減少します。
逆に言えば、再び糖質を摂取してグリコーゲンを回復すれば、体重もすぐに戻るのです。

まとめ

グリコーゲンは、効率的に糖質を貯蔵するための重要な形態ですが、それでも水分と切り離すことはできません。
グリコーゲンが増減すると体重も変動するのはこのためです。

「短期間で数kg痩せた!」という話があっても、それが脂肪ではなく水分の減少である可能性が高いことを、ぜひ知っておいてください。

※本記事は、健康・栄養・トレーニングに関する一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断・治療を目的としたものではありません。
症状や体調に不安がある場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。

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著者
トレーナー育成講師

運動 × 栄養 × 体づくりの専門家
ブログ記事200本以上を執筆し、
正しい知識をわかりやすく発信中。

保有資格
・NESTA-PFT
・NSCA-CPT

経歴・活動
・パーソナルトレーナー
・リラクゼーションセラピスト
・トレーナー養成スクール講師
・トレーナーアカデミー講師
(年間500回以上の講義)
・転職キャリアアドバイザー

実績
・トレーナー300名以上育成
・SNS総フォロワー数 20,000人以上
・新R25に掲載実績あり
https://r25.jp/articles/928885030159646720

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