中鎖脂肪酸とは?脂肪を効率よく使うカギ

栄養学
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こんにちは!
トレーナー育成講師の井上裕司です。

脂肪酸という言葉をご存じですか?

「中性脂肪」や「脂質」といった言葉なら、聞いたことがある方も多いかもしれませんね。
実は中性脂肪(トリグリセリド)は、グリセリン1つと脂肪酸3つでできている物質です。

この「脂肪酸」は炭素の鎖から構成されており、一般的には炭素数14〜20個といった長い鎖を持っています。
ところが、中には炭素数が8〜10個程度と短い脂肪酸も存在します。これを「中鎖脂肪酸(MCT: Medium Chain Triglycerides)」と呼びます。

中鎖脂肪酸はなぜ注目されているのか?

中鎖脂肪酸は、通常の油(長鎖脂肪酸)に比べて、素早く代謝されやすいという特長があります。

さらに、脂肪酸が2本しかない中性脂肪(ジアシルグリセロール)もあり、これも代謝が早いとされています。
※ジアシルグリセロールを使用した油は、現在市販されていません。

代謝が早いということは、体脂肪として蓄積しにくい可能性があるということです。
中鎖脂肪酸は摂取後、門脈を通って直接肝臓に運ばれ、すぐに分解・エネルギー源として利用されます。
その過程で「ケトン体」という物質が作られ、これは脳のエネルギー源としても活用されることから、ダイエットや認知機能サポートの観点でも注目を集めています。

ただし、“油”であることは変わらない

「代謝が早いからたくさん摂っても大丈夫」と思うかもしれませんが、それは大きな誤解です。
いくら中鎖脂肪酸でも、摂取カロリーが消費カロリーを上回れば、余分なエネルギーとして体脂肪に変わります。

あくまでも「代謝されやすい」だけで、「太らない魔法の油」ではないという点に注意しましょう。

脂質代謝には多くのプロセスが関わる

脂肪が体内で使われる(=脂肪燃焼)には、以下のような複雑なステップがあります。

  1. 脂肪細胞での分解(リパーゼ)
  2. 血液中での輸送(アルブミンなどのたんぱく質)
  3. 筋肉細胞への取り込み(脂肪酸トランスポーター)
  4. ミトコンドリア内への取り込み(カルニチン、CPT1・CPT2)
  5. ミトコンドリア内でのβ酸化
  6. TCA回路によるエネルギー産生

このように、どれか一つでも働きが悪ければ、脂質代謝はうまく進みません。
また、逆にどれか一つだけを強化しても、全体の代謝が高まるとは限らないのです。

結局のところ、脂肪を減らす一番の方法は?

脂肪を効率よく使うには、消費エネルギーを上げること。つまり、運動することが最も効果的です。

脂肪代謝を活性化するためには、日常的な活動量の増加が不可欠。
中鎖脂肪酸のような代謝を助ける食材を取り入れるのも良いですが、それだけに頼らず、運動習慣を整えることが本質的な解決策です。

まとめ

・中鎖脂肪酸は代謝が早く、体脂肪として蓄積しにくい可能性がある

・代謝が早い=たくさん摂っても良い、というわけではない

・脂肪代謝には多くのプロセスが関係し、運動が最も効果的

中鎖脂肪酸は、脂肪を使う「サポーター」であり、主役はあなたの行動(=運動)です!

※本記事は、健康・栄養・トレーニングに関する一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断・治療を目的としたものではありません。
症状や体調に不安がある場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。

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著者
トレーナー育成講師

運動 × 栄養 × 体づくりの専門家
ブログ記事200本以上を執筆し、
正しい知識をわかりやすく発信中。

保有資格
・NESTA-PFT
・NSCA-CPT

経歴・活動
・パーソナルトレーナー
・リラクゼーションセラピスト
・トレーナー養成スクール講師
・トレーナーアカデミー講師
(年間500回以上の講義)
・転職キャリアアドバイザー

実績
・トレーナー300名以上育成
・SNS総フォロワー数 20,000人以上
・新R25に掲載実績あり
https://r25.jp/articles/928885030159646720

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