【筋トレや動作分析に役立つ】肩の内旋・外旋筋の役割と特徴まとめ

こんにちは!
パーソナルトレーナーの井上です。

肩関節の動きの中でも、「内旋」と「外旋」という動きは、日常生活でもトレーニングでも非常に重要です。

この記事では、肩の内旋筋・外旋筋に加え、それらに関係する筋肉の構造的な特徴(断面積・筋繊維長など)をわかりやすく解説します。
ケガ予防やトレーニング効率を高めたい方、理学療法やスポーツ指導に関わる方にもおすすめの内容です!

◆ 肩関節の内旋に関わる筋肉

内旋とは、腕を体の内側にねじる動きです。たとえば、腕を内側にひねってTシャツを脱ぐような動作ですね。

主な内旋筋はこちら:

肩甲下筋
 → 肩甲骨の前面(肩甲下窩)から、上腕骨の前側(小結節)へつながる。
 → 肩のインナーマッスル(ローテーターカフ)の一つで、強力な内旋作用をもつ。

大胸筋
 → 特に上腕骨に近い部分が非常に強い内旋作用を発揮する。ベンチプレスでも活躍。

広背筋・大円筋
 → どちらも背中側にある筋肉で、内側から上腕骨の前方につながるため、内旋に働く。
 → 広い起始部(背骨・骨盤・肩甲骨下角)をもち、パワフル。

三角筋前部・烏口腕筋
 → 上腕の前面を走る筋肉で、内旋方向にわずかに関与する。

◆ 肩関節の外旋に関わる筋肉

外旋は、腕を外側にひねる動きです。野球の投球動作や、後ろに手を回す動きなどが該当します。

主な外旋筋はこちら:

棘下筋
 → 肩甲骨の後ろ(棘下窩)から、上腕骨の外側(大結節)に付着。
 → 強力な外旋筋であり、ローテーターカフの1つ。

小円筋
 → 棘下筋のすぐ下に位置し、同じく外旋作用をもつ。

三角筋後部
 → 動作によっては外旋に補助的に関与する。

🧠補足:
外旋に関与する筋肉は少なく、また筋肉自体も小さいため、内旋筋と比べて圧倒的に弱い傾向があります。
これは肩の不安定性やケガの原因にもなります。

◆ 肩関節の伸展・内転に関与する筋肉

伸展(腕を後ろに引く動作)に関与:
 → 三角筋後部、広背筋、大円筋、上腕三頭筋(長頭)が主に働く。

内転(腕を体に引き寄せる動作)に関与:
 → 大胸筋下部、三角筋前部などが補助的に活動。

◆ ローテーターカフ(肩のインナーマッスル)の構造的特徴

ローテーターカフとは、肩の安定性に重要な以下の4つの筋肉です:

・棘上筋(きょくじょうきん)

・棘下筋(きょっかきん)

・小円筋(しょうえんきん)

・肩甲下筋(けんこうかきん)

これらは筋肉の「筋繊維長」や「生理学的断面積(PCSA)」によって、それぞれ特徴が異なります。

▶ 筋繊維長(長い=収縮速度が速い)

棘下筋 最も長い 収縮速度が速く、幅広い角度で動ける
肩甲下筋・小円筋 中間 安定性も動きも両立
棘上筋 最も短い 狭い範囲での動作が得意

▶ PCSA(大きい=筋力が強い)

肩甲下筋 最大 最も力強いインナーマッスル
棘下筋 次点 外旋と肩の安定に重要
棘上筋 中間 外転スタートに関与
小円筋 最小 外旋筋だがパワーは小さい

◆ 大きな筋肉たちの断面積(PCSA)ランキング

全体の筋力発揮に関わる大きな筋肉も比較してみましょう。

▶ 大胸筋・広背筋・三角筋・大円筋・ローテーターカフ

三角筋 最大
大胸筋 2位
肩甲下筋 3位(ローテーターカフ最大)
広背筋 4位
大円筋 最小

三角筋は見た目通り、非常にパワフルな筋肉。
特に中部線維が最も大きく、肩の外転動作(腕を横に挙げる)で主役級の働きをします。

◆ 肩甲骨まわりの筋肉の特徴(PCSA順)

肩甲骨の動きと安定に関わる筋肉も整理しておきましょう。

僧帽筋 最大(中部線維が最多) 肩甲骨の引き下げ・内転に働く
前鋸筋 2位 肩甲骨を前方に引き出す(パンチ動作など)
菱形筋 3位 肩甲骨を内側に寄せる
小胸筋 4位 肩甲骨を前下方に引く
肩甲挙筋 最小 肩をすくめる動作に関与

📝ポイント:
僧帽筋と三角筋は、肩の動作における「パワー担当」。特に僧帽筋中部線維は、姿勢保持や肩甲骨安定に重要な役割を果たします。

◆ まとめ

肩の動きに関わる筋肉は多く、それぞれ方向・角度・筋構造の特徴が異なります。

✔ 内旋筋は強力で数も多い
✔ 外旋筋は少なく弱いため、ケアや強化が重要
✔ ローテーターカフは筋肉ごとに特徴がある
✔ 三角筋や僧帽筋はパワー系!前鋸筋などとバランスよく鍛えることが大切

トレーニングでもリハビリでも、「どの筋肉がどの方向で、どんな力を発揮するのか?」を知ることが、効率のいい運動につながります。

肩を守り、しっかり鍛えるための参考にしてください!

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