こんにちは!
トレーナー育成講師の井上裕司です。
「痩せたい」「筋肉をつけたい」。
こうした目標を掲げる人は増えていますが、栄養管理なくして目標達成は不可能です。
しかし多くの人が、
「食べたくないものを我慢して食べている」
「食事を気をつけているのに痩せない」
といった食に関する悩みを抱えています。
特にダイエット中によくある悩みがこちら:
・食欲をコントロールできない
・食後すぐにお腹が減る
・食べたのに満足できない
思い当たる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、食欲がなぜ暴走するのか?その仕組みと対策を解説していきます。

満腹感を感じる仕組みは2つある
人が「お腹いっぱい」と感じるのには、2つのメカニズムがあります。
① 胃が膨らむこと
胃が膨らむと、迷走神経を介して脳に満腹信号が伝わります。
これは「物理的な満腹感」と呼ばれ、水や空気でも一時的に得ることができます。
ただし、迷走神経が正常に働くことが前提条件です。
迷走神経は副交感神経に属しており、ストレスや緊張(交感神経優位)が続くと、機能が低下します。
その結果、胃が膨らんでも満腹を感じにくくなり、つい食べ過ぎてしまうという状態に陥ります。
② 血糖値の上昇
食後に血糖値が上がると、「もう栄養が入ってきた」と体が認識し、満腹感を生みます。
しかし、急激に血糖値が上がるとインスリンが過剰に分泌され、今度は急降下。
その結果、「またすぐにお腹が減る」という負のサイクルに。
血糖値を緩やかに上げる食事内容とタイミングの工夫が、食欲コントロールには不可欠です。
糖質制限で常にお腹が空くのか?
実は、糖質制限しても常にお腹が空くわけではありません。
そのカギは、「血中グルコース濃度」にあります。
糖質を摂取しない場合でも、体は糖新生という仕組みで、筋肉や脂肪、または食事から摂ったたんぱく質を材料に、糖を生み出すことができます。
ただし…
・糖質制限の初期段階では糖新生が追いつかず、空腹感が強くなる
・慣れてくると空腹感も軽減されてくるが、身体的負担は増大する
・糖質は、体内で最もエネルギーになりやすく、満腹感に直結する栄養素なのです。
「脳の満足」と「胃の満足」の両方が必要
糖は脳の栄養源です。糖が不足すると、代わりにケトン体が脳の栄養として使われますが、これは一時的な代替手段であり、長期的に続けると肝臓などへの負担が大きくなります。
また、満腹中枢は「血糖値の上昇」を感知して働くため、炭酸水などで胃だけを膨らませても、脳は満足しません。
食後15分ほどで満腹中枢が刺激され、2時間ほど満足感が続くとされています。
この仕組みが働かないと、「食べてもすぐにお腹が空く」などの異常が起きます。
お菓子で満足できない理由
お菓子(砂糖や小麦の加工品など)は、以下のような理由で満足感を得にくい食品です。
・水分が少なく、胃が膨らみにくい
・単糖類が中心で血糖値が急上昇・急下降
・ドーパミン優位でセロトニン分泌が抑制される
同じ炭水化物でも、水分を多く含んだご飯(お米)の方が満足感を得やすく、過食を防げます。
「空腹」と「食欲」は違う
・空腹
生理的なエネルギー不足のサイン。血糖値が下がると自然に起こる。
・食欲
感情・習慣・時間・環境によって左右される。ストレスやイライラで起きることも。
つまり、食欲をコントロールするには、メンタルの安定が不可欠です。
「胃だけふくらませるダイエット」は危険!
「野菜だけ食べる」「炭酸水で空腹を紛らわせる」などの方法は…
・一時しのぎにはなるが、脳は満足していない
・結果としてストレスが溜まり、反動で過食やリバウンドを招く
これは「ダイエットに成功していない人」に共通するパターンでもあります。
結論:食欲のコントロールは、心と身体のバランスから
ダイエット成功の鍵は、「食べないこと」ではありません。
・胃と脳の両方を満たすこと
・糖質の重要性を理解すること
・ストレス・睡眠・メンタルを整えること
この3つの視点を大切にして、リバウンドしない健康的なダイエットを目指しましょう。
※本記事は、健康・栄養・トレーニングに関する一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断・治療を目的としたものではありません。
症状や体調に不安がある場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。
コメント
[…] つまり、すぐにお腹が空いてくるということです。👇※満腹感について詳しく解説!食事で満腹感を感じるには? […]