グリコーゲンローディングの真意。慎重に糖質の量を調整しよう!

こんにちは!
パーソナルトレーナーの井上です。

生理学の基本的な知識は、すべての運動指導者にとって必要な科目です。

少しでも参考になればと思いますので、是非ご覧ください。

グリコーゲンローディング

マラソン後半の速度低下の1つの大きな原因は、筋グリコーゲン量の低下である。

マラソンを走るには体重60kgの人で2500kcal程度は必要となるが、体内の糖質貯蔵量は2000kcal程度である。

そう考えると、糖質のみでは足りないのが分かる。

脂肪は通常100,000kcal以上体内にあるが、脂肪があっても糖質がなくなってくるとペースが維持できなくなる。

つまりいくら脂肪があっても糖質がなくなると運動強度を維持できない。

グリコーゲンの低下は、筋収縮をダイレクトに悪くする。

一方それならば筋グリコーゲンの貯蔵量を少しでも増やせば、マラソン記録向上につながることが考えられ、そのための方法として考案されたのが、グリコーゲンローディングである。

簡単にいえば、試合3日前に糖質を多く摂取することで筋グリコーゲン量を増やす方法である。また3日前まで糖質をできるだけ減らして筋グリコーゲンを枯渇しておきます。そこから糖質の摂取量を一気に増やすことで、通常よりも多く貯蔵できるとも考えられている。

ただし、もともとグリコーゲンは貯蔵すると水分を伴って体重が重くなることから、グリコーゲン量を増やしすぎるのは得策ではない。

また、試合前の期間に多量の糖質を摂取するのは、胃腸の弱い選手にはかえって体調を崩す危険性がある。

さらに、日本人はもともと糖質摂取量が多く、欧米の食事と比較すると日常的にグリコーゲンローディングをしているかのような食生活である。

その糖質摂取量をさらに増やすことは容易ではなく、摂取できたとしても果たして本当に筋グリコーゲンが増えるかは疑問である。

つまり、この方法は日常の糖質摂取が日本人よりも少ない欧米人で考えられた方法であるので日本人選手にはそのまま当てはまらないことが考えられる。

とくに持久力競技の選手が試合前にトレーニング期間に糖質を多く摂取することは非常に重要であるが、グリコーゲンローディングになると慎重に行う必要がある。

ここでグリコーゲンを減らすと筋収縮が悪くなるのであれば、逆に筋グリコーゲンを通常以上に増やしたら筋収縮がさらに良くなるのかというと、そうしたことはなさそう…

このように筋グリコーゲンが正常レベルにあるかどうかは、運動能力にとって重要である。

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