エネルギー生産工場。ミトコンドリアについて徹底解説!
こんにちは!
パーソナルトレーナーの井上です。
みなさん、ミトコンドリアって知っていますか?
ミトコンドリアはエネルギー生産工場と言われており、ダイエットにおいても非常に重要なものなのです。
まずは身体の細胞について理解を深めていきましょう。
オルガネラのミトコンドリア
身体はおよそ37.2兆個の細胞でできています。
細胞にはDNAの遺伝情報があると言われていますが、細胞一つの中にどのようなものがあるのでしょうか?
・脂質二重構造の細胞膜
・たんぱく質の合成や分泌を促してくれるリボソーム小胞体
・たんぱく質消化器官のリソソーム
・コレステロールや胆汁酸の合成のペルオキシソーム
・たんぱく質の濃度を向上させるゴルジ体
こういった複数のもの(オルガネラ)が存在していて一つの細胞となります。
複数のものの中にミトコンドリアというものも入っていて、一つの細胞のほとんどの割合を占めています。(平均して約40%)
このミトコンドリアは成人男性の場合、体重の10%くらいあると言われています。
60kgの方であれば、6kg程度のミトコンドリアが存在しているということになりますね。
ミトコンドリアの働きは簡単に言うとエネルギーの産生です。
脂肪の燃焼の際にも必要であり、有酸素運動時にエネルギーを常に出し続ける際にも必要となります。
このミトコンドリアは主に筋肉の中に存在しており、
このミトコンドリアを増やすためには、運動が必要です。特に有酸素運動ですね。
有酸素運動をすると、ミトコンドリア内でエネルギー産生効率が高まり持久力が上がります。
持久力が上れば、脂肪燃焼が促しやすくなるといった良い効果が生まれるということです。
このエネルギーというのは、ATP(アデノシン3リン酸)と言われ、このATPは約95%がミトコンドリアで生み出しています。
ミトコンドリア以外ですと、解糖系というシステムでグルコース(ブドウ糖)からATPをつくりだすのですが、2つのATPを生みだします。
対して、ミトコンドリアは同じグルコースを材料にして34~36個のATPをつくりだせます。脂質を材料にした場合は、129個もATPを生みだします。
この数値を見て分かるように、ミトコンドリアがあることによってかなりのエネルギーを生みだすことができているのです。
その他の働き
・アポトーシス
細胞の死を管理しています。こういった機能があるからこそ古くなった細胞をどんどん処理していってくれるのです。
・ヘムの合成
・ステロイドの合成
・熱の産生
・尿素回路
アンモニアを無毒化するために、肝臓で尿素へと変換します。
・カルシウムの貯蔵
・マイトファジー
ミトコンドリアの見た目や数
ミトコンドリアは、糸・顆粒という意味です。
理科や生物の教科書にミトコンドリアの写真が載っていたかと思いますが、実は糸みたいな見た目をしています。
この糸の周りを囲んでいる全体構造は、存在している場所によって姿形が若干違うと言われています。
肝臓にあるミトコンドリアは、楕円形
膵臓にあるミトコンドリアは、太い
筋肉にあるミトコンドリアは、細い
のように、同じミトコンドリアでも場所によってサイズや形が違うのです。
ミトコンドリアは細胞の中に数百~数千いると言われています。
※平均で2000いると言われている
卵子には10万前後存在します。
精子には10前後しかないと言われているみたいです。
場所によって、数が変わってくるのですね。
正確には数は常に変化しています。
お互いくっついたり離れたりを繰り返しているのです。
体の中で常に、いらなくなったミトコンドリアが合体したり分裂したりを繰り返すわけです。
なぜこのようなことを繰り返しているかというと、
活性酸素によるダメージを回復するためと言われています。
よく有酸素運動をする際、運動中たくさん酸素を吸ったりすると、体が酸化していきます。簡単に言うと老いるんです。
こういった活性酸素というもので、細胞やミトコンドリアが酸化し、傷つけられてしまうとそれを回復しようとします。そのために分裂や合体したりを繰り返すわけです。
ミトコンドリアの質を高めるには?
一般的に言われているミトコンドリアの機能はいろいろな作用に関しても、エネルギー産生に関しても数が多いほうが質が向上するということです。
ですので、ミトコンドリアの質を高めようと思ったらミトコンドリアの一つ一つの能力を高めようとするのではなく、ミトコンドリアの数をどうやって増やしていくかを考えた方がいいのでは?と思います。
・疲れやすいと自覚している人
・疲れにくいと感じている人
ミトコンドリアの量を統計的に比べてみると圧倒的に数量が違うみたいです。
ミトコンドリアの数を増やすには?
なにをどうすれば増えるのでしょうか?
それは、有酸素運動をするのが一番効果的だと言われています。
その他にも、
・短期的なファスティング(断食)
・日光浴
・マッサージ
・寒冷刺激
こういったことがおきてもミトコンドリアの数が増えると言われています。
では、ミトコンドリアの数を減らす行為というのは
・過食
・化学物質
・精神的ストレス
・汚染物質
・有害金属
こういったものはミトコンドリアの数に限らず、身体には良くはないですよね?
ウエイトトレーニング(筋トレ)はどうなのでしょうか?
有酸素運動によっては最大50%くらい増加したという結果が出たのに比べ、
ウエイトトレーニングは変化が少ないという意見や結果が多いです。
ウエイトトレーニングは高重量を扱えば扱うほど白筋線維(速筋)が成長しやすいのですが、このミトコンドリアは赤筋線維(遅筋)に多くふくまれています。
もちろんウエイトトレーニングは白筋線維のみではなく、赤筋線維も成長するので、全く変化がないとは言い切れない部分ではありますが、赤筋線維が成長しやすい有酸素運動と比べれば、エネルギー産生の必要性も考えるとやはり、
有酸素運動は増えやすい
ウエイトトレーニングは増えにくい
と言えるのではないでしょうか?
ミトコンドリアの代謝
ミトコンドリアの代謝の35%はオートファジー(古い物が捨てられて、新しいものが作られる)に依存すると言われています。
このオートファジーが活性化すれば、ミトコンドリアの代謝も活発になってくるということです。
オートファジーを引き起こすことができればいいという話になるのですが、ファスティング(断食)が有効になります。
このオートファジーによってミトコンドリアの選択的に分解する機能をマイトファジーと言います。
ミトコンドリアを活性化させる栄養素
非常に幅広いです。
・ビタミンB群
・αリポ酸
・カルニチン
・タウリン
・マグネシウム
他にもまだ必要な栄養素はあると思います。
要は、多くの栄養素がミトコンドリアにとって必要になってきます。
ミトコンドリアの活性で考えると、ファスティングでも増えるのですが、ミトコンドリアが活動するためには栄養も必要ですので、長期的なファスティングではなく短期的に行うのがよろしいのではないでしょうか?
有酸素運動のことも考えると、長時間行うことにより、活性酸素を生み身体が酸化するマイナス面もありますので、こちらも短時間で行うべきだとも考えます。
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