こんにちは!
トレーナー育成講師の井上裕司です。
~筋トレ指導に「心理的視点」が役立つ理由~
パーソナルトレーナーの主な役割は、「運動の正しいやり方を伝えること」だと思われがちです。
しかし実際の現場では、トレーニングメニューを考えるだけでなく、クライアントが継続しやすいような工夫も欠かせません。
そこで注目されているのが、「心理的な視点」を活かした関わり方。
ここでは、パーソナルトレーナーの実務に役立つとされる心理学的な考え方をいくつか紹介します。

モチベーションに関する考え方
~やる気の仕組みを理解するヒント~
運動を続ける上で、「モチベーションの種類」が影響するという研究があります。
- 内発的動機づけ:楽しい、達成感がある、挑戦が好き
- 外発的動機づけ:痩せたい、褒められたい、周囲の期待
一般的に、運動を長く続ける人は、楽しさや達成感といった「内発的動機づけ」が強い傾向があると言われています。
トレーニングの中で、小さな変化や達成を感じられる場面を作ると、前向きな気持ちにつながることもあるようです。
「できそう」という感覚の重要性
「自己効力感」という言葉があります。
これは、「自分にもできるかもしれない」と感じることが、行動を始めるきっかけになりやすい、という考え方です。
この感覚を高めるための工夫として、以下のようなことが紹介されています:
- 小さな成功を積み重ねる
- 他の人の成功例を参考にする
- 前向きな声かけを受ける
- 緊張や不安を和らげる
トレーニングでも、「できた!」と感じられる場面を増やす工夫は、気持ちの面でプラスになる場合があります。
行動には段階があるという見方
人が何か新しい行動を始めるとき、「今すぐやる」というよりも、段階的に気持ちが変化していくという説があります。
たとえば以下のような流れです:
- まだ始める気はない
- 少し興味が出てきた
- そろそろ始めたい
- 実際に始めた
- 続けているところ
このような段階を意識すると、クライアントの反応に対して「やる気がないのでは?」と決めつけずに接しやすくなるかもしれません。
聞くことの大切さ
信頼関係づくりでは、「話をよく聞くこと」が大切だとされます。
たとえば、相手がどんな気持ちを抱いているのか、なぜ継続が難しかったのかといった背景に耳を傾ける姿勢が、安心感につながることがあります。
会話の中で評価や決めつけを避けるだけでも、相手が話しやすくなることもあるようです。
気持ちは伝わるという視点
私たちの表情や声のトーンは、周囲に影響を与えると言われています。
トレーニング現場でも、トレーナー自身が前向きな雰囲気で接すると、相手もポジティブになりやすいという考え方があります。
もちろん、無理に元気なふりをする必要はありませんが、接し方を少し意識するだけで空気が変わることもあります。
まとめ|心理的な視点は指導のサポートになる
パーソナルトレーナーの仕事は、運動や身体の知識だけでなく、人との関わり方にも広がりがあります。
心理学の知識を少し知っておくことで、指導がよりスムーズになったり、クライアントとの信頼関係が深まったりする可能性があります。
「どうすれば続けてもらえるか?」「もっと安心してもらえるには?」といった視点のヒントとして、心理的な考え方を取り入れてみるのも一つの方法です。
※注意書き(免責)
※本記事は、トレーニング指導に役立つ知識の一例として、心理学の考え方をご紹介するものです。専門的な診断・助言を目的とした内容ではありません。必要に応じて、専門家への相談をご検討ください。
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