こんにちは!
トレーナー育成講師の井上裕司です。
生理痛でお困りの方からよく相談を受けます。そこで今回は、栄養面から生理痛にアプローチできないか考え、皆さんのお役に立てる情報をまとめてみました。
少しでも参考になれば嬉しいです。ぜひ試してみてくださいね。

なぜ痛みが起こるのか?
まず、痛みとは何かを理解することから始めましょう。
痛み(疼痛)は「情動体験」と言われ、その人が感じる主観的な感覚です。
つまり、体に損傷がなくても痛みを感じることがあります。
これを「慢性痛」といい、3ヶ月以上続く痛みのことを指します。慢性痛は、脳の機能変化によって痛みが感じられる場合が多いのです。
例えば、触れられただけで痛みを感じる「アロディニア」という症状もあります。これは本来痛みを感じない刺激でも、痛みとして感じてしまう状態です。
このように、痛みを訴える人の感覚にまずは寄り添うことが大切です。
特に生理痛は男性には理解しにくい痛みかもしれませんが、苦しんでいる本人の辛さを理解することが何より重要です。
痛みの神経の種類
痛みを感じる神経には主に2種類あります。
・Aδ神経線維
痛みを素早く感じる神経(一次痛)。組織損傷がある場合に働きます。
・C神経線維
痛みの伝達がゆっくりで、じわじわと感じる痛み(二次痛)。
生理周期と生理痛の関係
生理周期は平均約28日(25日以上39日未満が正常範囲)で起こります。
生理前のPMS(黄体期)はプロゲステロンという女性ホルモンの影響ですが、ここでは「生理中の痛み(生理痛)」に着目します。
生理中の出血量は通常20〜140mlで3〜7日間続きます。
もし出血量が多い場合、体内の鉄分損失も増えるため、注意が必要です。
生理痛の原因物質「プロスタグランジン」とは?
生理痛の主な原因は「プロスタグランジン」という物質です。
これは子宮の収縮を促し、剥がれ落ちた子宮内膜を外に押し出す役割があります。
しかし、このプロスタグランジンが過剰に分泌されると、痛みが強く感じられてしまいます。
だから痛み止めの薬には、このプロスタグランジンの生成を抑える成分が含まれていることが多いのです。
プロスタグランジンはどうやって作られる?
プロスタグランジンは、脂肪酸代謝の過程で生成されます。
オメガ6脂肪酸 → アラキドン酸 → プロスタグランジン
このアラキドン酸からプロスタグランジンを作る際に必要なのが「COX(シクロオキシゲナーゼ)」という酵素です。
ロキソニンなどの痛み止めは、このCOX酵素の働きを抑えて、プロスタグランジンの生成を減らすことで痛みを和らげています。
COX酵素には2種類あることの注意点
COXにはCOX-1とCOX-2の2種類があります。
COX-1
胃や腎臓の粘膜を保護したり、血管を拡張して血流を良くする役割があります。
COX-2
主に炎症や痛みに関わる。
一般的な痛み止めは両方のCOXを抑えてしまうため、胃の粘膜保護作用も阻害され、胃痛や胃潰瘍の原因になることがあります。
そのため、痛み止めを使う場合は胃薬も一緒に飲むことが推奨されます。
生理痛緩和に期待できる栄養素
栄養面で生理痛に効果が期待できると言われているのは、
・ビタミンD
日本人の多くが不足しているため、積極的な摂取がおすすめです。
・ビタミンE
抗酸化作用があり、血行促進に役立つ可能性があります。
・亜鉛
生理痛緩和に良いとされますが、摂りすぎは銅とのバランスを崩し貧血の原因になるので注意が必要です。
これらの栄養素は、2〜3ヶ月継続して摂取することで痛みの緩和が期待されます。
具体的な食材のおすすめ
ビタミンE → アーモンドなどナッツ類
ビタミンD → 魚類(サケ、サバなど)、日光浴も効果的ですが紫外線には注意
亜鉛 → 牡蠣が特に豊富
まとめ
生理痛は痛みの原因となるプロスタグランジンが関係しています。
痛み止めで抑える方法もありますが、栄養面でのケアも見逃せません。
日々の食事やサプリメントで
・ビタミンD、ビタミンE、亜鉛を意識して摂ること
・バランスの良い栄養を心がけること
で、痛みの緩和が期待できます。
ただし、栄養素の過剰摂取にはくれぐれも注意してください。
生理痛に悩む方の助けになれば幸いです。
※本記事は、新R25に掲載された実績を持ち、トレーナー養成スクールの講師としても活動する井上裕司が監修しています。
健康・栄養・トレーニングに関する一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断や治療を目的としたものではありません。
体調や症状に不安がある方は、必ず医師や専門の医療機関にご相談ください。
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