こんにちは!
トレーナー育成講師の井上裕司です。
今回は、現代人にとって非常に重要なミネラル 「マグネシウム」についてお話ししたいと思います。
皆さんはマグネシウムに対して、どんなイメージをお持ちでしょうか?
「なんとなく聞いたことはあるけど…」「カルシウムのほうが有名では?」
そう思われる方も多いかもしれません。
しかし、実はマグネシウムこそが、現代人に最も必要とされているミネラルだと、私は考えています。

マグネシウムは“酵素のサポーター”|300種類以上の酵素を活性化
マグネシウムは、体内で300種類以上の酵素に関わっており、酵素が正しく働くための「補酵素」としての役割を担っています。
つまり、マグネシウムがなければ、栄養を代謝する多くの酵素が機能しない、ということ。
さらに最近では、「舌下吸収」や「経皮吸収(皮膚から吸収)」といった摂取方法にも注目が集まり、
マグネシウムをお風呂に入れて疲労回復を狙う入浴剤も人気です。
カルシウムとマグネシウムの“黄金比”とは?
骨の構成要素といえば「カルシウム」が代表格ですが、実はマグネシウムも骨の第三の主成分です。
一般的には、骨におけるカルシウムとマグネシウムの比率は4:1が理想とされますが、専門家の中には2:1が適切という意見もあります。
このカルシウムとマグネシウムのバランスの乱れが、以下のようなリスクにつながる可能性があるのです。
・カルシウム過多 → 骨のミネラルバランスが崩れる
・マグネシウム不足 → 骨密度の低下や骨粗鬆症リスク
特に、乳製品はカルシウムばかりが多く、マグネシウムが極端に少ないため、注意が必要です。
実際、乳製品の消費量が多い国ほど、骨粗鬆症の発症率が高いというデータもあります。
マグネシウムが関与する健康効果まとめ
マグネシウムの効果についてふれていきましょう。
①インスリン感受性の向上|糖尿病予防に貢献
マグネシウムは、インスリンの効き目(感受性)を高める働きがあります。
糖の代謝を担うインスリンがうまく作用しないと、糖尿病のリスクが高まります。
マグネシウムは、糖の取り込みやエネルギー代謝に欠かせない栄養素です。
➡ 糖質を多く摂る人は、ビタミンB1・クロム・マグネシウムの3つを意識的に補う必要があります。
②ATP(エネルギー)合成に関与|代謝を促進
マグネシウムは、私たちのエネルギー源である ATP(アデノシン三リン酸)の合成にも関わっています。
・疲れやすい
・代謝が悪い
・朝からだるい
そんな方は、もしかしたらマグネシウム不足かもしれません。
③遺伝子を守る|RNA・DNA合成の必須因子
マグネシウムは、RNA・DNAといった遺伝子情報の安定化にも必要不可欠なミネラルです。
遺伝子異常の原因として懸念されるものには…
・遺伝子組換え食品
・有害ミネラルの蓄積
などがありますが、これらに対する「守りの栄養素」としてマグネシウムが機能することもわかっています。
④交感神経の活性化|神経伝達にも関与
神経系において、
・マグネシウム:交感神経を活性化(活動時)
・カルシウム:副交感神経を活性化(休息時)
という役割があります。
カルシウム過多になると、眠くなったりだるくなったりしますが、マグネシウムが不足しても活動力が落ちてしまうという点も非常に重要です。
⑤筋肉の“収縮と弛緩”をコントロール
カルシウム → 筋肉の収縮
マグネシウム → 筋肉の弛緩
この関係性を理解すれば、筋肉トラブル(つりやすい、こむら返り)などもマグネシウム不足で起こりやすいことがわかります。
⑥精神疾患・うつ病との関連性
精神疾患に関しても、マグネシウムの重要性は見逃せません。
統合失調症やうつ病の方は、腸内細菌(ビフィズス菌)が少なく、セロトニンの分泌も低下
マグネシウムは、セロトニン合成をサポートする栄養素
そのため、精神疾患の治療補助としても、
・ナイアシン
・葉酸
・ビタミンB6
・マグネシウム
が処方されることも多いのです。
⑦心疾患との関連|心筋梗塞・動脈硬化・結石予防にも?
心臓も「筋肉」でできているため、マグネシウムは心機能においても非常に重要です。
カルシウムが過剰になり、マグネシウムが不足すると、
・血管の収縮性が高まり、血流が悪化
・血栓・尿路結石・動脈硬化などのリスクが上昇
・心筋梗塞の発症リスクも高まる
という報告もあります。
まとめ|カルシウム×マグネシウム=“バランス”がすべて
マグネシウムは、カルシウムと対になるような栄養素です。
✅ マグネシウムを意識的に摂取したい人
・疲れやすい・だるい
・糖尿病・肥満が気になる
・骨や筋肉のトラブルが多い
・メンタルの不調がある
・加工食品・乳製品をよく摂る
マグネシウムは、まさに“現代人に不足しがちな縁の下の力持ち”。
サプリだけに頼らず、海藻・ナッツ類・雑穀・魚などからも、しっかり補っていきましょう!
※本記事は、健康・栄養・トレーニングに関する一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断・治療を目的としたものではありません。
症状や体調に不安がある場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。
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