クールダウンによる回復の正しい知識
こんにちは!
パーソナルトレーナーの井上です。
生理学の基本的な知識は、すべての運動指導者にとって必要な科目です。
少しでも参考になればと思いますので、是非ご覧ください。
動的回復
強度の高い運動をすると、血液の乳酸濃度は大きく上がります。
その運動後に低い強度の運動をすると、血液の乳酸濃度の低下が早くなることが知られていますね。
このような強度の高い運動を行った後に、強度の低い運動を行うことを動的回復といいます。
運動後に安静にしていると、運動で使った筋肉への血流量が低下してしまいます。
ただし、軽い運動をその後にすれば、ある程度筋肉への血流量を維持することができるのです。
そうすることで筋肉内から血液への物質の移動も継続維持することができることが考えられます。
その代表となる物質が乳酸。
乳酸は筋肉内のグリゴーゲンを乳酸に変え、血液中へ送り出すことになります。
強度の低い運動をその後にすることで、筋肉から血液中へ送り出される乳酸の量が増えることが予想できます。
血液に送り出された乳酸はその後、運動のエネルギー源として活躍します。
運動後に安静にしているよりかは、動的回復をすることで、より乳酸を筋肉から血液に出し、そしてその乳酸をより多くの組織で再利用できることになります。
結果、動的回復では血液の乳酸濃度の低下が早くなるということ。
昔は乳酸は老廃物である。その老廃物である乳酸が早くなくなることで疲労回復が早いというようにみなされました。
しかし、乳酸は老廃物ではありません。
運動後にはいくら乳酸があっても、乳酸自体が悪いということはありません。
むしろエネルギー源である乳酸があることは良いことである。
ただし、乳酸が早く低下するような状況を動的回復でつくることは、やはり疲労回復には適している。
それは、筋肉への血液循環が維持されるからであり、筋肉からの不要物の除去や新たなエネルギーの筋肉への取り込みが早くなるからであります。
このような動的回復では、疲労回復を早くすることにつながるのであって、乳酸が老廃物だからではありません。