【運動後の疲労感の正体】交感神経の働きと「休め」のサインとは?

生理学
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こんにちは!

トレーナー育成講師の井上裕司です。

運動後に強い疲労感を感じることはありませんか?
それは単なる「体力の消耗」だけではなく、自律神経の働き、特に交感神経の高まりとその反動が関係しています。

本記事では、運動と交感神経の関係、疲労感の意味、そして日常のストレスとのつながりまで、専門的に、かつ分かりやすく解説します。

■ 運動や試合で交感神経が活性化する理由

日々のトレーニングや特に本番の試合では、体だけでなく心にも緊張が走ります。
このとき私たちの身体では、自律神経のうちの交感神経が優位になり、アドレナリンなどのホルモンが分泌されます。

交感神経の働きは、まさに“戦う・逃げる”ためのスイッチ。
心拍数や血圧を上げ、筋肉へ血流を送り、集中力を高めて、身体を一気に臨戦態勢へと導きます。

このように、交感神経の活性化は、運動という強い刺激やストレスに対処するための防御反応といえるのです。

■ 疲労感は「交感神経の反動」である

しかし、交感神経が長時間優位になった後には、強い疲労感が襲ってくることがあります。
これはいわば「反動」であり、体が「もう休んでいいよ」とサインを出している状態です。

運動後の疲労感とは、単に筋肉の疲れだけではなく、交感神経の緊張が緩み、副交感神経が働き始めた証拠でもあります。

つまり、「疲れた」と感じるのは、身体がしっかりと反応し、ちゃんとスイッチを切り替えられている健全な証なのです。

■ 試合前の緊張は悪いことではない

試合や大事なパフォーマンスの前に緊張してしまう…。
それは多くの人が避けたいと感じる反応ですが、実は身体の準備反応としては非常に理にかなっています。

交感神経の高まり=集中力や瞬発力を引き出す準備段階。
むしろまったく緊張しないほうが、身体のスイッチがうまく入っていない可能性さえあるのです。

大切なのは、その緊張状態のあとの「適切な休養」。
オンとオフの切り替えが、パフォーマンスと回復の鍵となります。

■ 疲労感は「ストレス対処の限界」を知らせるサイン

疲労感とは、単なる不快感ではなく、身体が発している重要なサインです。
「もうこれ以上ストレスにさらされないように」という、自分自身への“警告”ともいえます。

もし無理を重ねてそのサインを無視し続ければ、次第にストレス反応すら起きなくなる「バーンアウト(燃え尽き)」に繋がる恐れもあります。

疲れを感じること=悪いことではなく、身体の適応範囲を知るための貴重なシグナルだと理解することが大切です。

■ 日常のストレスと運動の役割

もちろん、疲労感の原因は運動だけではありません。
日常生活でも、仕事・人間関係・環境の変化など、心にストレスがかかる場面は多くあります。

こうした精神的ストレスによる疲労感には、適度な運動が効果的です。
軽い有酸素運動は血流を改善し、体温を高め、自律神経のバランスを整える働きがあります。

つまり、疲れたからといって常に「動かない」のではなく、状態に応じて「動く休養」も取り入れることが、疲労回復のカギになります。

■ まとめ|「疲れた」は無視せず、身体の声を聞こう

運動後の疲労感には、交感神経の高まりとその反動が深く関係しています。
これはストレスにしっかり対応した証であり、身体からの「休みなさい」というサインです。

また、精神的ストレスに対しては、運動が「リセット」の役割を果たすこともあります。

疲れたときは、自分を責めるのではなく、自分の身体の声に耳を傾けること。
その一つ一つの反応が、私たちを守り、生かし、適応へと導いてくれているのです。

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