こんにちは!
トレーナー育成講師の井上裕司です。
今回は「花粉症」に悩まれている方に向けて、単なる対症療法ではなく、根本改善を目指すための食事・栄養・身体アプローチを解説していきます。

花粉症とは何か?
花粉症とは、花粉という「アレルゲン(抗原)」に対して、免疫システムが過剰反応してしまうことで起きるアレルギー反応です。
鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどの症状は、体が花粉という異物を排除しようとする「炎症反応」なのです。
風邪のウイルスに対して発熱するのと同じように、花粉に対しては鼻水やくしゃみが起きるというわけです。
根本改善のカギは「蓄積」と「過剰反応」を防ぐこと
花粉症は、初めて花粉を吸ったその瞬間から発症するわけではありません。
毎年のように体内に花粉が蓄積され、ある一定の「許容量」を超えたタイミングで症状が爆発的に現れるのが特徴です。
これを「遅発性アレルギー」と呼びます。
この背景には「腸内環境の悪化」と「慢性炎症」が深く関係していると考えられています。
食事からのアプローチ|グルテン・カゼイン・オメガ6
まずは、食事内容から見直してみましょう。
① 小麦・乳製品の制限
小麦に含まれる「グルテン」、乳製品に含まれる「カゼイン」は、代表的なアレルゲンです。
これらは腸粘膜に炎症を起こし、「柔毛」や「微絨毛」を潰すことで栄養の吸収を妨げ、腸の粘膜を破壊していきます。
その結果、本来は吸収されない異物まで体内に通してしまう状態――これが「リーキーガット症候群」です。
リーキーガットが進行すれば、花粉のような異物も簡単に体内に侵入できるようになります。
その結果、免疫反応が過剰に働いてしまうのです。
② 炎症を助長する油「オメガ6」の摂りすぎに注意
・オメガ6脂肪酸 → アラキドン酸 → プロスタグランジン(炎症物質) → 花粉症・痛み・頭痛を助長
現代の食生活では、揚げ物・加工食品・ドレッシングなどを通じてオメガ6が過剰摂取されやすい状況です。
このバランスを整えるためには、「オメガ3脂肪酸」の摂取が不可欠です。
③ オメガ3の摂取で炎症を抑える
良性のエイコサノイド(抗炎症物質)を増やすには、以下の食品を意識しましょう:
・亜麻仁油・えごま油(αリノレン酸)
・青魚(サバ・イワシ・サンマなど)(DHA・EPA)
花粉症と視床下部の関係|蝶形骨マッサージとは?
アレルギー反応やホルモン分泌をコントロールしているのは「視床下部」という脳の一部です。
視床下部の機能を高めるために注目したいのが、「蝶形骨」という頭蓋骨の中心にある骨です。
蝶形骨の動きが悪くなると、血流が滞り、視床下部の働きが鈍ってしまうのです。
▼ 蝶形骨マッサージのやり方
- 頬骨の下を指で外側になぞるようにマッサージ
→ 鼻の通りが良くなる人もいます。 - こめかみの一番くぼんだ部分を上下に軽く揺らす
→ 蝶形骨に直接アプローチ。
このマッサージにより、頭部の血流が促進され、視床下部の活性化が期待できます。
ただし、赤ちゃんや乳幼児には行わないでください。
まとめ|花粉症は“腸”と“脂肪酸”と“脳”から改善する
花粉症は単なるアレルギーではなく、
・腸内環境の悪化(リーキーガット)
・炎症性脂肪酸の過剰(オメガ6)
・脳の中枢である視床下部の低活性
といった複数の要因が重なって起こる全身性の反応です。
以下の3点を心がけましょう。
✅ 花粉症対策のポイント
・小麦・乳製品を控えて腸の炎症を防ぐ
・オメガ3脂肪酸を積極的に摂取する
・蝶形骨マッサージで視床下部の血流を促進する
「花粉症=鼻の問題」と思いがちですが、実は全身の炎症と免疫システムの乱れが背景にあるのです。
薬に頼る前に、まずは自分の生活習慣を見直してみましょう。
身体はきちんと応えてくれます。
※本記事は、健康・栄養・トレーニングに関する一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断・治療を目的としたものではありません。
症状や体調に不安がある場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。
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