走り幅跳びの記録を伸ばす筋トレ完全ガイド|踏切力と助走スピードを高める戦略

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こんにちは!
トレーナー育成講師の井上裕司です。

走り幅跳びは、「助走スピード」「踏切の爆発力」「空中動作の効率性」「着地技術」といった複数の要素が複雑に絡み合う、陸上競技の中でも高度な技術とフィジカルが求められる種目です。

その中でも、筋力トレーニング(筋トレ)は最もパフォーマンスへの影響が大きく、記録向上に直結するファクターです。

この記事では、
✅ 走り幅跳びに必要な筋力とは何か?
✅ 種目別の効果的な筋トレメニュー
✅ 筋トレと技術練習の周期的な組み立て方
などを科学的根拠とともに解説していきます。

◆ 走り幅跳びに必要な筋力と動作分析

走り幅跳びの記録は、以下の4つの動作フェーズで構成されます:

  1. 助走(スピード最大化)
  2. 踏切(力の鉛直変換と爆発的出力)
  3. 空中動作(姿勢制御)
  4. 着地(減速と距離の最終確保)

特に重要なのは「助走から踏切にかけての“力の伝達効率”」であり、これを高めるには下半身を中心とした爆発的筋力(パワー)が必要です。

主に鍛えるべき筋群:

大殿筋・ハムストリングス・大腿四頭筋:踏切の爆発力と助走スピード

腓腹筋・ヒラメ筋(ふくらはぎ):地面反力の活用

脊柱起立筋・腹横筋(体幹):姿勢制御・空中動作の安定

広背筋・三角筋(上半身):腕振りによるバランス補正と推進力補助

◆ 筋トレの3つの柱|記録を伸ばす戦略的アプローチ

走り幅跳びに特化した筋トレは、以下の3段階で構成されるべきです。

① 【最大筋力トレーニング】

筋肉が発揮できる“力の最大値”を高めることで、爆発的な出力の土台をつくります。

推奨種目:
スクワット(バーベル)
デッドリフト
ブルガリアンスクワット
ヒップスラスト

💡 8回以下の高重量で低回数を基本に。週2〜3回で、神経系への刺激を重視。

② 【パワー・スピードトレーニング】

力を「短時間で発揮する能力」=パワー(Power)を鍛えます。

推奨種目:
クリーン・スナッチ(オリンピックリフティング)
スクワットジャンプ
メディシンボールスロー(後方投げ・斜め投げ)
バウンディング(助走付き連続ジャンプ)

💡 最大筋力を“スピード”に変換するトレーニング。ジャンプの滞空時間が変わる!

③ 【プライオメトリクストレーニング(伸張反射)】

腱と筋肉の伸び縮み(SSC:伸張-短縮サイクル)を利用して、跳躍力を高めます。

推奨種目:
ボックスジャンプ
デプスジャンプ(落下から即ジャンプ)
ホッピング
シングルレッグジャンプ(片足踏切強化)

💡 地面接地時間を短く・素早く跳ぶ意識を。週1〜2回までで十分。

◆ 体幹・上半身のトレーニングの重要性

「跳ぶ力」は下半身だけではありません。空中姿勢の安定や着地時の衝撃吸収を考えると、以下の部位の強化も欠かせません。

体幹トレーニング:

プランク各種(フロント・サイド)
ハンギングレッグレイズ
パロフプレス(抗回旋)
ローテーション系メディシンボール投げ

上半身強化:

チンニング(懸垂)
ベントオーバーロウ
ダンベルショルダープレス
三角筋・広背筋のバランス強化

💡 空中での「脚のたたみ」や「腕振り」は意外にもパフォーマンス差を生みます。

◆ トレーニング周期の組み立て方(ピリオダイゼーション)

単に筋トレを続けるだけでは、記録は伸びません。競技力向上には、目的別の時期分け(ピリオダイゼーション)が欠かせません。

オフシーズン(冬期) :筋力・パワー強化 最大筋力・パワー・補強を高頻度で
プレシーズン(春) :筋力から動作への移行 筋トレを減らしつつ動作と連動性UP
インシーズン(夏) :パフォーマンス維持 筋トレ頻度を減らし、技術と回復重視
ポストシーズン(秋) :疲労回復・フォーム修正 軽い筋トレ・動作修正・体幹強化など

💡 脚が「重い」時期を意図的に作り、ピークを競技に合わせて持ってくる戦略が鍵。

◆ 中高生や初心者への注意点

中高生や初心者アスリートは、以下のような点に配慮しましょう:

・体幹と柔軟性を重視しすぎず、正しいフォームを優先

・高重量トレーニングは段階的に

・膝やアキレス腱のケガを予防するメニュー設計

・筋トレと跳躍練習のバランスを取りすぎない(週単位で分けるのも◎)

◆ よくある筋トレの失敗例

❌ 筋トレだけを追求してしまい、助走やフォーム練習が疎かになる
❌ パワー系をやらず、筋肥大(ボディビル系)のみに偏る
❌ 着地に弱く、記録が伸びてもケガしやすくなる

👉 走り幅跳びは「跳ぶ」だけでなく「着地して終わる」種目。最終局面まで設計しましょう。

【まとめ】走り幅跳びと筋トレは“連動”が鍵!

・走り幅跳びの記録向上には、筋トレは不可欠。

・特に“助走から踏切”へのエネルギー伝達を最適化するトレーニングが重要。

・最大筋力・パワー・SSCの3本柱+体幹・上半身の補助強化が効果的。

・技術練習と筋トレは“時期ごとに最適化”することで最大の効果を発揮。

※本記事は、新R25に掲載された実績を持ち、トレーナー養成スクールの講師としても活動する井上裕司が監修しています。

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著者
トレーナー育成講師

運動 × 栄養 × 体づくりの専門家
ブログ記事200本以上を執筆し、
正しい知識をわかりやすく発信中。

保有資格
・NESTA-PFT
・NSCA-CPT

経歴・活動
・Core&Calm(コアカーム)パーソナルジム経営
・パーソナルトレーナー
・リラクゼーションセラピスト
・トレーナー養成スクール講師
・トレーナーアカデミー講師
(年間500回以上の講義)
・転職キャリアアドバイザー

実績
・トレーナー300名以上育成
・SNS総フォロワー数 20,000人以上
・新R25に掲載実績あり
https://r25.jp/articles/928885030159646720

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