こんにちは!
トレーナー育成講師の井上です。
糖尿病というと「糖質の摂りすぎ」が原因と誤解されがちですが、本質はそこにありません。
本記事では、糖尿病の本質的な原因を、栄養素・ホルモン・臓器の働きに着目して解説していきます。
特に注目したいのは【マグネシウム】というミネラル。
さらに、膵臓から分泌されるホルモンであるインスリン・グルカゴン、そして近年注目されているGLP-1の関係性にも触れていきます。

日本人に足りない栄養素「マグネシウム」の重要性
マグネシウムは、カルシウムや鉄と並んで日本人に不足しがちな必須ミネラルのひとつです。
・骨の健康(骨粗鬆症の予防)
・精神の安定(うつや摂食障害の予防)
・エネルギー代謝の活性化
そして最近では、糖尿病との関係性も明らかになってきました。
糖尿病とホルモン:インスリンとグルカゴンの関係
私たちの血糖値は、ホルモンのバランスによって一定に保たれています。
・血糖値を下げる:インスリン(膵臓β細胞)
・血糖値を上げる:グルカゴン(膵臓α細胞)
つまり、血糖値の調整にはインスリンとグルカゴンのバランスが重要。
糖尿病は、「インスリンの分泌量や効きが悪くなること」だけでなく、グルカゴンの過剰分泌や感受性の低下も関係しているのです。
肥満がもたらすホルモン感受性の低下
肥満は以下のような代謝機能の感受性を低下させます。
・インスリン抵抗性(効きが悪くなる)
・グルカゴン抵抗性(必要な時に適切に働かない)
・筋肉の糖代謝能力の低下
・成長ホルモン・GLUT4(糖輸送体)活性の低下
結果として、太りやすく痩せにくい悪循環に陥り、糖尿病リスクがさらに高まるのです。
血糖値の乱高下と情緒不安定の関係
白米、菓子パン、清涼飲料水などの精製糖質の過剰摂取は、急激な血糖値の上下を招きます。
・上昇 → テンションが高まる(交感神経優位)
・急降下 → 虚無感、過食欲求(副腎疲労)
この“血糖値のジェットコースター”は、うつ・不安・摂食障害とも深く関係しています。
マグネシウムの代謝的役割と糖尿病予防
マグネシウムは以下の重要な代謝機能を支えています。
・エネルギー産生(ATP合成に不可欠)
・インスリン感受性の向上
・炭水化物の代謝補助
・GLUT4(糖輸送体)の活性化
つまり、マグネシウムが不足すると、糖代謝がうまくいかなくなり、糖尿病リスクが上がるのです。
GLP-1という腸内ホルモンの可能性
近年注目されているのが、腸で分泌されるホルモンGLP-1。
・インスリン分泌を促進
・グルカゴン分泌を抑制
・食欲のコントロール
・血圧や心拍の安定
このGLP-1の生成・活性に重要なのが、大腸の健康。
つまり、大腸に栄養を届ける=水溶性食物繊維と適度な糖質摂取がカギとなります。
マグネシウムが減った理由
かつての日本人は、玄米・海藻・豆類から自然にマグネシウムを摂取していました。
しかし近年、
・白米への精製
・糖質制限の流行
・インスタント食品中心の生活
これにより、マグネシウム摂取量は激減しています。
結果として、マグネシウム不足による代謝障害・ホルモン機能低下が起こり、糖尿病が増えているのではないか?という考察が成り立ちます。
糖尿病にならないために必要なこと
糖尿病を防ぐために必要な栄養・生活習慣のポイントは以下の通り:
✅ マグネシウムの積極摂取
(玄米・豆類・海藻・ナッツ類)
✅ 適度な糖質と食物繊維の摂取
(過度な糖質制限はNG)
✅ 筋トレなどの運動習慣
(ホルモン感受性が改善)
✅ 血糖値を急上昇させない食べ方
(低GI食品、食物繊維→たんぱく質→糖質の順に摂る)
まとめ:糖尿病は「糖」の病ではなく「代謝」と「栄養」の病
糖尿病は、ただ糖質を制限すれば防げるわけではありません。
本質は、「代謝」「ホルモンの働き」「栄養素の不足」にあります。
特にマグネシウム不足とホルモンバランスの乱れは見落とされがちな盲点。
今一度、食生活と生活習慣を見直し、根本的な予防と改善を目指していきましょう。
※本記事は、健康・栄養・トレーニングに関する一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断・治療を目的としたものではありません。
症状や体調に不安がある場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。
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