「筋肉を大きくしたいけど、何を食べればいいかわからない」
そんなとき、冷蔵庫にバナナはありますか?
手軽・美味しい・栄養豊富…実はバナナは“筋肉飯”として非常に優秀なんです。
こんにちは!
トレーナー育成講師の井上裕司です。
~バナナ=おやつはもったいない~
バナナは「子どものおやつ」や「朝ごはんの定番」と思われがちですが、筋トレ愛好家にとってはパフォーマンスと回復を支える栄養源として非常に優秀なフルーツです。
特に、筋肥大やバルクアップを目指す人にとっては、「バナナ=太る」というイメージは誤解。
むしろ、エネルギー補給、ホルモン分泌、筋合成の環境作りに最適な食品であることが、近年の研究でわかってきました。
本記事では、バナナが持つ筋肉への効果、具体的な摂取タイミング、トレーニーに嬉しい栄養素などを徹底解説していきます。

【結論】バナナは「筋肉の餌」である
バナナは単なる果物ではありません。筋肉を作るうえで重要な以下のポイントをすべて満たしています。
- 糖質(筋グリコーゲンの再合成)
- カリウム(筋収縮・神経伝達)
- ビタミンB群(代謝促進)
- トリプトファン(テストステロンと睡眠の質に関与)
筋肥大の基本は、「トレーニング+栄養+休息」。その中の「栄養」と「休息」をバナナ1本がカバーできると言っても過言ではありません。
バナナに含まれる筋トレ向け栄養素
栄養素 | 役割 | 筋肥大との関係 |
---|---|---|
糖質(炭水化物) | エネルギー源 | 筋トレ中のパフォーマンス維持、インスリン分泌による筋合成促進 |
カリウム | ミネラル | 筋収縮、筋けいれんの予防、電解質バランス |
ビタミンB6 | 補酵素 | アミノ酸代謝、タンパク質合成の促進 |
マグネシウム | ミネラル | 筋肉の修復、疲労回復のサポート |
トリプトファン | 必須アミノ酸 | セロトニン→メラトニン→睡眠→成長ホルモンの分泌 |
抗酸化物質(ドーパミン・カテコール類) | フィトケミカル | 炎症軽減、筋肉の回復促進 |
なぜバルクアップに糖質が必要か?
筋肥大というと「プロテイン=タンパク質」ばかりが注目されますが、実は糖質も同じくらい重要です。
糖質は筋肉内の「グリコーゲン」として貯蔵され、トレーニング時のエネルギー源になります。枯渇した状態ではトレーニングの質が落ち、回復も遅れます。
さらに糖質はインスリン分泌を促進し、このホルモンが筋肉へのアミノ酸の取り込みを助けるため、筋合成が効率的に進みます。
筋肥大を狙うバナナの摂取タイミング3選
① トレーニング前(30~60分前)
- 目的:エネルギー補給・筋分解の抑制
- 内容:バナナ+プロテイン or 少量のナッツ
- メリット:消化が良く、素早くエネルギーに変わる
② トレーニング後(30分以内)
- 目的:グリコーゲン再合成+インスリン刺激
- 内容:バナナ+ホエイプロテイン
- メリット:筋合成を最大化する「ゴールデンタイム」を活かせる
③ 就寝前(90分前)
- 目的:トリプトファン→セロトニン→メラトニン→睡眠の質向上
- 内容:バナナ+温めた豆乳やギリシャヨーグルト
- メリット:成長ホルモンの分泌をサポートし、回復を促進
バルクアップ向け「バナナ+α」組み合わせ例
シーン | 食材 | 理由 |
---|---|---|
朝 | バナナ+オートミール+卵 | 糖質+タンパク質で筋合成の準備 |
間食 | バナナ+プロテインバー | 高たんぱく&エネルギー補給 |
トレ前 | バナナ+ナッツ | 糖質+脂質で持久力アップ |
トレ後 | バナナ+ホエイプロテイン | 筋合成を促進 |
夜食 | バナナ+カッテージチーズ | 睡眠と回復の質を向上 |
よくある疑問Q&A
Q. バナナを食べると太りませんか?
A. バルクアップ中は摂取カロリー>消費カロリーが前提です。バナナ1本(約90kcal)はむしろ良質なエネルギー源です。
Q. バナナだけで筋肉は増えますか?
A. バナナは補助食品です。たんぱく質や脂質、ビタミン・ミネラルもバランスよく摂ることが前提です。
Q. バナナチップスや加工品はどう?
A. 油や砂糖を加えた加工品は**ダーティーバルク(脂肪の増加)**につながる可能性があるため、生のバナナがおすすめです。
まとめ:バナナは“筋肉のミニ補給所”だった
バナナは「安くて手軽で甘い」だけではありません。
筋肉のエネルギー補給から合成促進、回復、睡眠まで幅広くサポートしてくれるナチュラルなサプリメントといっても過言ではありません。
筋肥大・バルクアップを目指すなら、「プロテインだけ」で終わらせず、糖質・ビタミン・ホルモンバランスにも目を向けることが、最短ルートになります。
今日のトレ前・トレ後に、1本のバナナを。
あなたの筋肉が、静かに喜ぶかもしれません。
※本記事は、新R25に掲載された実績を持ち、トレーナー養成スクールの講師としても活動する井上裕司が監修しています。
健康・栄養・トレーニングに関する一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断や治療を目的としたものではありません。
体調や症状に不安がある方は、必ず医師や専門の医療機関にご相談ください。
参考文献
- Ivy, J. L. (2004). Regulation of muscle glycogen repletion, muscle protein synthesis and repair following exercise. Journal of Sports Science & Medicine, 3(3), 131–138.
- Beelen, M. et al. (2010). Nutritional strategies to promote postexercise recovery. International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism, 20(6), 515–532.
- Jeukendrup, A. E. (2014). A step towards personalized sports nutrition: carbohydrate intake during exercise. Sports Medicine, 44(Suppl 1), S25–S33.
- Halson, S. L. (2014). Sleep and the elite athlete. Current Sports Medicine Reports, 13(3), 189–193.
- Campbell, B. et al. (2007). International Society of Sports Nutrition position stand: protein and exercise. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 4(1), 8.
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