こんにちは!
トレーナー育成講師の井上裕司です。
プロテインを飲んだり、たんぱく質を意識して食べたり、アミノ酸のサプリメントを取り入れている方も多いと思います。
その目的は「筋肉をつけたいから」「筋トレの効果を高めたいから」といった理由がほとんどではないでしょうか?
もちろん、アミノ酸が筋肉合成に関わるというのは正しいです。
しかし実は、アミノ酸にはそれ以外にも意外な働きがあるのをご存じでしょうか?

① グリコーゲン合成をサポート
たんぱく質を摂取すると、消化・分解によってアミノ酸になります。
そしてこのアミノ酸は、運動後のグリコーゲンの再合成をサポートすると言われています。
ただし、誤解しないでください。
グリコーゲンを補給したいなら、最も効果的なのは糖質の摂取です。
アミノ酸はあくまで補助的な役割であり、主役は糖質です。
② エネルギー代謝にも関与する
アミノ酸は、エネルギー産生の材料としても利用されることがあります。
特に空腹時や極度の運動後など、糖質・脂質が枯渇した状態でアミノ酸が代謝され、エネルギーになることもあります。
ただし、これもメインの働きではありません。
あくまで代替的・補助的な役割であるということを理解しておきましょう。
③ 血管を拡張させる効果も
アミノ酸の一種であるアルギニンには、血管拡張作用があります。
これは一酸化窒素(NO)という物質を増やす作用があるためで、血流の改善や、トレーニング時のパンプ感にも関与します。
「プレワークアウト」系のサプリにアルギニンが含まれている理由は、こうした効果を狙ってのことです。
④ 疲労軽減に関与することも
アミノ酸は脳内神経伝達物質の材料としても活躍します。
たとえば、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンは、アミノ酸の一種であるトリプトファンから合成されます。
このセロトニンは、精神的なリラックスや疲労感の軽減に関係していると考えられています。
サプリメントの効果は本当にあるのか?
「アミノ酸を摂ると脂肪が燃える」
「飲むだけで痩せる」
といったキャッチコピー、目にしたことがあるかもしれません。
正直、これは誇張表現やミスリードです。
確かにアミノ酸には代謝や疲労軽減への関与があるかもしれませんが、摂取するだけで痩せるような魔法の栄養素ではありません。
特に運動量の少ない人にとっては、アミノ酸サプリを飲んでも体感できる効果は限定的です。
一方で、ハードなトレーニングを行う競技者にとっては、アミノ酸サプリメントが回復や合成促進を助ける可能性は十分にあります。
まとめ|アミノ酸の正しい使い方を知ろう
アミノ酸は筋肉だけでなく、エネルギー代謝・血流・疲労感の軽減など、意外な部分にも関与しています。
ですが、こういった効果はあくまで適切な量を、必要なタイミングで、運動と組み合わせることで得られるもの。
サプリメントに過剰な期待を寄せるのではなく、「運動ありき」で賢く取り入れることが大切です。
※本記事は、健康・栄養・トレーニングに関する一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断・治療を目的としたものではありません。
症状や体調に不安がある場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。
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