アミノ酸の過剰摂取は危険!!
こんにちは!
パーソナルトレーナーの井上です。
生理学の基本的な知識は、すべての運動指導者にとって必要な科目です。
少しでも参考になればと思いますので、是非ご覧ください。
アミノ酸摂取量に注意?
たんぱく質は何から摂りますか?
おそらく、ほとんどの方は一番最初に思い浮かぶのはお肉でしょう。
他にも魚や大豆、卵からもたんぱく質メインで摂取することができます。
この状態から摂取した場合、必ず消化というものが必要になってきます。
消化には時間がかかり、ゆっくり分解され体内にゆっくり吸収されていきます。
ということは、お肉をいっぱい食べたとしても、食後の血液の中のアミノ酸の濃度はゆっくり上がっていくことになりますね。
ここで考えたいのが、こういったたんぱく質という状態で摂取した場合と、アミノ酸という状態で摂取した場合の違いについてです。
アミノ酸というのは、たんぱく質が分解され、ペプチドになり、それがまた分解されたものです。
つまり、アミノ酸という状態で摂取した場合、消化し分解する必要がないと言えますね。
ということは、アミノ酸を粉末で摂取すると、吸収が早くなる。つまり摂取後の血液の中のアミノ酸の濃度は急激に上昇することになります。
アミノ酸を直で摂取する理由はこれにあります。それは即効性です。筋肉に素早くアミノ酸を届けたい場合、直でアミノ酸を摂取するのです。
ただし、デメリットも存在します。それは急激な血中アミノ酸上昇による
血中アンモニア濃度の上昇です。
アンモニアってイメージ的にもあまりよろしくなさそうな物質ですよね?その通りで、
アンモニアは神経毒です。体内に増えすぎると良くないもの。
このアンモニアの過度の上昇は、アミノ酸の過度の上昇によるものなのです。
市販で売っているアミノ酸は通常は数グラム程度袋に入っていますが、一度に何袋も大量に摂ることは絶対やめてください!
トレーニング中に飲むBCAAは3種類のアミノ酸、バリン・ロイシン・イソロイシンのことでありますが、分解系で途中から同じ経路が使われます。
つまり、何が言いたいかというと、例えば3種類の中の一つ、ロイシンのみを摂取した場合どういう反応になると思いますか?
それは、ロイシン摂取によって分解経路全体の流れが高まることで、他のアミノ酸、バリンとイソロイシンが減ってしまうことになります。
実際に、ロイシンの摂取により、血中のロイシン濃度は高くなりはしたが、バリン、イソロイシン濃度は低下したという報告があります。
さらに、他のアミノ酸、メチオニン・フェニルアラニン・トリプトファン・ヒスチジンなどの血中濃度も低下したとのことです。
やはり、1つのアミノ酸のみを大量に摂取するのは避けたほうが良いですね。
ではたんぱく質という状態であれば過剰摂取してもいいのか?
答えはダメです!
たんぱく質を分解する際に一緒にくっついている窒素が取り外されます。
この窒素は、肝臓で尿素へ変換され、腎臓で尿へと変換されます。
つまり、アミノ酸に限らずたんぱく質も大量に摂取すると、肝臓や腎臓に負担をかけることになります。
このようにアミノ酸同様、たんぱく質の大量摂取には注意が必要ですね。
たんぱく質の効果が素晴らしいからといって、筋肉を発達させたいからといって、良い効果があるものは大量に摂取しようとする。
この行為は間違いで、適量摂取して初めて高い効果が期待できると思ったほうが良いかと思います。