こんにちは!
トレーナー育成講師の井上です。
今回は、ビタミンAについてお話ししていきます。
なぜビタミンAなのかというと、近年「過剰摂取によるリスク」が特に妊婦さんなどで話題になっており、必要以上に心配されている栄養素だからです。
たとえば、「ビタミンAを摂りすぎると胎児に奇形が生じる」「吐き気やめまいといった副作用が出る」といった報告がありますよね。
そこで今回は、「実際のところ、ビタミンAの過剰摂取は本当に心配なのか?」について解説しつつ、逆に見逃されがちなビタミンA不足のリスクについても深掘りしていきます。

結論:ビタミンAの過剰摂取は、基本的に気にしなくてOK!
まず結論から申し上げます。
日本人の食生活において、ビタミンAの過剰摂取を心配する必要は基本的にありません。
世界的に設定されているビタミンAの耐容上限量と比べても、日本人の平均摂取量はその基準を大きく下回っているのが現状です。
たとえサプリメントを飲んでいたとしても、用量を守っていれば過剰症に至る可能性は非常に低いと言えます。
もちろん、ビタミンA単体のサプリメントを大量に摂取し続けるような場合には、実際に吐き気・めまい・頭痛などの過剰症状が出る可能性があります。
とくに注意が必要なのは妊娠中。ビタミンAには細胞分裂を抑制する作用があるため、胎児の発育に影響を及ぼす可能性が指摘されています。
逆に気をつけるべきは「ビタミンA不足」
過剰摂取ばかりが話題になりますが、実はビタミンAが不足することのほうがよほど問題です。
ビタミンAの主な働きは以下の通りです:
・免疫力を高める
・粘膜の健康を保つ(鼻・口・目・腸など)
・抗酸化作用(老化防止・シミやシワ対策)
粘膜は、花粉・ウイルス・排気ガスなどの外敵から体を守る最前線のバリア機能。その粘膜の主成分として働くのが、ビタミンAです。
つまりビタミンAが不足してしまうと、風邪をひきやすくなったり、花粉症が悪化したり、肌トラブルが増える原因にもなり得るのです。
ビタミンAは3つのタイプに分類される
ビタミンAは、体内で以下の3つの形に変化して働きます:
- レチノール
- レチナール
- レチノイン酸
✅ レチノール
主に動物性食品(レバーや卵黄など)に含まれる、ビタミンAの基本形。
✅ レチナール
体内でレチノールから変換される中間形。
また、プロビタミンA(βカロテンやαカロテンなど)もここに分類されます。
✅ レチノイン酸
最終的に体内でレチナールが変化する形で、細胞の成長や分化を調整する重要な物質です。
ただし、過剰に生成されると細胞分裂を抑制し、過剰症の原因となる可能性があります。
サプリメントや食品からの過剰摂取リスクは?
通常の食事で摂取する分には、③レチノイン酸まで変化する量は微量です。
そのため、食事由来のビタミンAで過剰症が起きることはほぼありません。
また、緑黄色野菜に含まれるβカロテンなどのプロビタミンAも、必要な分だけ体内でビタミンAに変換されるため、摂りすぎによる悪影響は基本的にありません。
ベジタリアンの方や、野菜中心の生活をしている方であっても、過剰症を気にする必要はありません。
まとめ|ビタミンAは「不足」にこそ注意!
最後にもう一度まとめます。
ビタミンAの過剰症は、日常的な食事や通常のサプリ摂取ではほぼ起こりません。
むしろ、現代人に多いのはビタミンA不足。
粘膜・免疫・肌の健康を守るためにも、積極的な摂取が推奨されます。
とくに、風邪をひきやすい方、アレルギー体質の方、肌トラブルが多い方は、ビタミンAの摂取を意識してみてください。
※本記事は、健康・栄養・トレーニングに関する一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断・治療を目的としたものではありません。
症状や体調に不安がある場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。
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