🍊みかんでバルクアップ!? 筋肥大を支える“甘くて強い”フルーツの実力とは？

こんにちは！
トレーナー育成講師の井上裕司です。

みかん＝フルーツ＝減量用？いや、増量中こそ狙い目です

「筋肥大・バルクアップ中に果物なんて糖質ばかりで意味がない」と思っていませんか？

確かに、果物の多くは水分が多く、エネルギー源としての密度は高くありません。しかし、みかんは“筋肉づくりの土台”となる栄養素を効率的に補える存在であることをご存知でしょうか？

本記事では、みかんが筋肥大にどう役立つのか、栄養素と代謝の視点からその秘密を掘り下げていきます。

みかんに含まれる主な栄養素（100gあたり）

栄養素	含有量	主な効果・機能
エネルギー	約45kcal	運動時の軽エネルギー源
炭水化物	約11g	グリコーゲン補給、筋合成に有利
ビタミンC	約35mg	筋合成のサポート、抗酸化作用
クエン酸	約1,000mg（推定）	疲労感の軽減、エネルギー代謝補助
カリウム	約150mg	むくみ軽減、筋収縮サポート
β-クリプトキサンチン	0.3〜0.5mg	抗酸化作用、脂肪代謝のサポート

このように、みかんには“筋肥大を支える補助栄養素”がバランスよく含まれており、単なる「ビタミン補給」以上の働きを期待できます。

なぜ「筋肥大にみかん」なのか？5つのポイントで解説

1. グリコーゲン補充に最適な“軽量級炭水化物”

トレーニング後の筋グリコーゲンの回復は、筋合成の環境づくりに不可欠です。

みかんに含まれる糖質（ブドウ糖・果糖）は、消化吸収が早く、筋肉内のグリコーゲン補充に適したエネルギー源。さらに、水分が多く消化に優しいため、食欲が落ちる夏場や疲労時にも取り入れやすいのが特徴です。

筋トレ後30分以内の糖質補給に、プロテインとみかんを組み合わせるのは理にかなっています。

2. ビタミンCが「筋合成ホルモン」の合成を支える

ビタミンCはコラーゲン生成や鉄の吸収を助けるだけでなく、ストレスホルモン（コルチゾール）を抑制する働きも報告されています。

コルチゾールは筋肉分解を進めやすいため、トレーニング後に過剰に分泌されると筋肥大の妨げになります。

つまり、ビタミンCをしっかり摂取することは、筋分解のリスクを下げ、合成の環境を保つことにもつながるのです。

3. クエン酸で“疲れにくい身体”を維持

みかんに豊富なクエン酸は、いわゆる「クエン酸回路（TCAサイクル）」の中心的な物質。

この代謝経路が活性化されることで、乳酸の代謝が促され、トレーニング後の疲労感を軽減すると考えられています。

また、クエン酸にはミネラルの吸収を助けるキレート作用もあり、筋収縮に必要なカルシウムやマグネシウムの効率的な取り込みもサポートします。

4. β-クリプトキサンチンで“炎症対策”

筋トレ後の筋肉は微細な損傷を受けています。修復に必要なのはタンパク質だけではなく、炎症をコントロールする栄養素も不可欠です。

みかんの色素成分であるβ-クリプトキサンチンは、カロテノイドの一種で抗酸化力が高く、筋トレによる炎症ストレスの緩和や代謝バランスの維持に貢献します。

これは、ハードに追い込む筋トレ民にとっては見逃せないポイントです。

5. 水分＋カリウムで“パンプ感”サポート

筋トレ後のパンプアップを維持するには、細胞内の水分量と電解質バランスが重要です。

みかんにはナトリウム排出を助けるカリウムが豊富で、細胞内に水分を引き込む作用も。これにより、筋細胞のハリ感（パンプ）を助ける効果も期待されます。

とくに塩分の多い食事やプロテインと合わせて摂ることで、むくみの防止にも役立ちます。

バルクアップ中の“補助食材”としての使い方

✔ トレーニング後のリカバリー補食に

プロテインと一緒に、または軽い食事にみかんを添えることで、吸収の早い糖質とビタミン類をバランスよく補給できます。

✔ 食間の栄養チャージに

クリーンバルク中は「1日に複数回の食事」が前提になります。そんなとき、小腹が空いたらみかんを1〜2個食べて、過剰なジャンクフードを避ける手段として活用可能。

✔ 減量から増量に切り替える時期に

「減量期に果物は制限してたけど、バルクに戻したタイミングで復活させる」という流れは自然です。クリーンな糖質源として、徐々に取り入れていくのがおすすめ。

よくある質問（FAQ）

Q. みかんって糖質が高いから太りませんか？

A. 確かに糖質は含まれていますが、脂質はほぼゼロです。トレーニングのタイミングで摂る、1日1〜3個に抑えるなどすれば、問題はありません。

Q. どの時間帯に食べるのがベストですか？

A. トレーニング直後、または朝の栄養補給として食べるのがベスト。夜寝る前は血糖管理の観点から避けたほうがいいでしょう。

Q. 果糖ってインスリンに影響しにくいのでは？

A. 果糖は血糖値を急上昇させにくい一方で、肝臓を通じてグリコーゲンに変換されるため、筋トレ後の補給としては十分に価値があります。

まとめ｜みかんは「筋肥大を支える隠れた栄養食」

みかん＝ダイエットの味方というイメージが強いかもしれませんが、実は筋トレに必要な代謝系・抗酸化系・糖質系の栄養素をバランスよく持つ果物です。

✔ グリコーゲン補給
✔ 抗酸化サポート
✔ 疲労軽減
✔ パンプ維持
✔ クリーンな糖質源

増量期・筋肥大期でも、上手に取り入れることで“クリーンバルク”を後押しする食材となります。

たんぱく質だけじゃない。**“果物を味方にする筋トレ”**で、差をつけましょう。

※本記事は、新R25に掲載された実績を持ち、トレーナー養成スクールの講師としても活動する井上裕司が監修しています。
健康・栄養・トレーニングに関する一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断や治療を目的としたものではありません。
体調や症状に不安がある方は、必ず医師や専門の医療機関にご相談ください。

参考文献・情報源

• 文部科学省「日本食品標準成分表（八訂）」
• 農研機構 果樹研究所「β-クリプトキサンチンに関する研究」
• Gleeson M. (2008). “Dosing and efficacy of vitamin C in exercise-induced oxidative stress.” Sports Medicine.
• Hargreaves M., Spriet L. (2020). “Skeletal Muscle Energy Metabolism during Exercise.” Nature Metabolism.
• Jeukendrup A. (2011). “Carbohydrate intake during exercise and performance.” Nutrition.