こんにちは!
トレーナー育成講師の井上裕司です。
皆さん、お酢って普段使っていますか?
「健康に良いイメージがある」「料理に必要だから使っている」「酸味が好きだから」など、理由は人それぞれだと思います。
今回は、この“お酢”に秘められた健康効果について、栄養学の視点から解説していきます。

お酢に含まれる「サクサン」の効果
お酢には「サクサン(酢酸)」という短鎖脂肪酸が含まれています。
このサクサンが肝臓で代謝される際に活性化されるのが、
「AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)」という酵素です。
このAMPKは以下のような時にも活性化されます。
・空腹時
・運動時
・カロリー制限中 など
AMPKが活性化されると…
・インスリンの感受性が上がる(血糖コントロールが良くなる)
・糖質(グリコーゲン)が筋肉に貯蔵されやすくなる
・脂肪燃焼が促進され、脂肪の蓄積が抑えられる
つまり、お酢を摂ることで体脂肪がつきにくくなる効果が期待されるということですね。
アルコールにもサクサンが?
アルコールが肝臓で代謝されると、最終的にアセトアルデヒド → サクサンへと変化します。
とはいえ、アルコールの摂取は他のデメリット(肝臓負担、依存、睡眠の質低下など)が大きいため、健康目的で摂取するのはおすすめできません。
クエン酸の効果と糖質貯蔵
お酢にはもう1つ重要な成分があります。
それが「クエン酸」です。
クエン酸には、糖質(グリコーゲン)を筋肉に貯蔵しやすくする効果があると言われています。
その仕組みは?
糖質をエネルギーに変換するためには、「解糖系」というシステムが必要です。
その中でも重要な酵素が、「ホスホフルクトキナーゼ(PFK)」です。
クエン酸はこのPFKを抑制する働きを持っています。
これによって、
・糖がすぐにエネルギーに変換されにくくなる
・その結果、糖質が筋肉に“貯蔵”されやすくなる
つまり、運動時にエネルギーが長持ちする状態を作れるのです。
持久系の競技者や、ハードなトレーニングを行う方にとっては非常に重要な効果です。
骨からカルシウムを引き出す効果
お酢にはカルシウムの吸収を高める効果もあります。
例えば、骨ごと食べられる魚や肉を煮込む際にお酢を加えると、
骨からカルシウムが溶け出しやすくなります。
→ その煮汁ごと食べれば、効率よくカルシウムを摂取できるというわけですね。
高血圧予防にも?お酢の血圧改善効果
お酢には、高血圧の予防・改善に役立つとされるデータもあります。
これは、先ほど紹介したサクサンの働きに関連します。
サクサンは、血管を拡張する「一酸化窒素(NO)」の働きを促進します。
結果的に、血圧を下げる作用が期待できるのです。
ただしこの効果は、
・毎日少量ずつ摂取
・数週間〜数ヶ月継続
という条件のもとで得られるものです。
一度に大量に摂るのではなく、日常的にコツコツ摂ることがポイントです。
お酢のまとめ
・脂肪燃焼 AMPK活性化により脂肪が燃えやすい体質に
・糖質の筋肉貯蔵 クエン酸がエネルギー変換を調整し、貯蔵を促進
・カルシウム吸収 骨から溶け出しやすくなり、吸収アップ
・血圧改善 サクサンが血管拡張に作用し、血圧を下げる
さいごに
お酢にはさまざまな健康効果が期待されますが、摂りすぎはNGです。
目安としては、1日15ml(大さじ1杯)程度で十分。
「調味料」として日々の食事に自然に取り入れながら、健康づくりに役立ててみてください。
※本記事は、新R25に掲載された実績を持ち、トレーナー養成スクールの講師としても活動する井上裕司が監修しています。
健康・栄養・トレーニングに関する一般的な情報提供を目的としており、医療上の診断や治療を目的としたものではありません。
体調や症状に不安がある方は、必ず医師や専門の医療機関にご相談ください。
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