【肩トレや姿勢改善に!】大胸筋・広背筋が効きやすい角度とは?モーメントアームで読み解く筋肉の使われ方

こんにちは!
パーソナルトレーナーの井上です。

「胸や背中の筋肉って、どの動きで一番使われるの?」
「ベンチプレスやラットプル、フォームで効きが変わるのはなぜ?」

こういった疑問、トレーニングをしている人なら一度は感じたことがあるはずです。

筋肉の「効きやすさ」には、モーメントアームという概念が関係しています。
この記事では、大胸筋と広背筋を例に、角度によってどう筋肉の力の伝わり方が変わるのかをわかりやすく解説します!

◆ モーメントアームとは?

ざっくり言うと、筋肉の「てこの効き具合」です。

モーメントアーム × 筋肉の張力(力)= 関節を動かす力(トルク)

つまり、筋肉の力が同じでも、モーメントアームが長いほど関節を強く動かせるということ。

◆ 大胸筋のモーメントアームの変化

▶ 肩を前に上げる動き(屈曲)での働き

上部線維
 → 腕を前に上げる角度が大きくなるほど、屈曲への力が強くなり、約70°で最大。
 → 上げる動作に最も関与しやすい部位です。

中部線維
 → モーメントアームは小さく、角度の変化による影響も少ない。
 → 常に少し働くが、目立ったピークはなし。

下部線維
 → 30°まではわずかに屈曲に関与。
 → それ以降は逆に伸展方向(腕を後ろに引く)のモーメントアームが増え、屈曲動作にはブレーキ的に働く。

📝ポイント:

ベンチプレスやショルダープレスの「効かせ方」は角度によって変わる!

上部を狙いたいなら、やや高い角度でのプレス種目が効果的。

▶ 腕を横に広げる(外転)・閉じる(内転)動きでの働き

上部線維
 → 外転30°までは内転(閉じる)方向に働くが、
 → それ以上では外転方向(広げる)に変わる。
 → 90°の外転では、しっかり外転筋として働く。

中部・下部線維
 → 120°までずっと内転モーメントアームを持つ。
 → 特に50〜60°の外転位で最も内転作用が強くなる。

📝ポイント:

フライ系種目では、腕の広げ具合によって関与する部位が変わる。

大胸筋下部は、やや低い角度で強く働きます。

◆ 広背筋のモーメントアームの変化

▶ 肩を前に上げる(屈曲)⇔後ろに引く(伸展)動き

上部・中部・下部のすべての線維が、常に伸展方向に働く。

ただし、角度によって強さは変わる:

筋線維 最大モーメントアームを持つ角度

上部線維 約40°屈曲位
中部線維 約30°屈曲位
下部線維 約50°屈曲位

0°(腕を真下に垂らした位置)に近づくほど、伸展モーメントアームは小さくなる。

📝ポイント:

広背筋は、肩をある程度前に出した位置(30〜50°くらい)で最も効率よく引く動作ができる。

ラットプルやロウイングのスタートポジションで意識すると◎!

▶ 腕を横に開く(外転)⇔閉じる(内転)動きでの働き

全ての線維(上・中・下)が内転方向に働く。

特に、60〜80°の外転位でモーメントアームが最大。

中部・下部線維の方が、上部線維よりも強く働く傾向。

🔍さらに注目ポイント:

広背筋は伸展モーメントアームよりも内転モーメントアームの方が大きい。
→ 引く動作よりも「腕を閉じる動き(内転)」の方が得意な筋肉とも言えます。

📝ポイント:

プルダウンで広背筋を効かせたいときは、腕を外に開きすぎず、やや絞るような意識で引くと効果的!

◆ まとめ:筋トレのフォームは角度で差が出る!

筋肉は「どの方向に、どれくらい力を出せるか」が、関節の角度によって変化します。

これを理解しておけば…

✅ トレーニングで「狙いたい部位」にしっかり効かせられる
✅ 無駄なフォームでのケガを防げる
✅ リハビリや姿勢改善にも応用できる

💡具体的な応用例

大胸筋上部を鍛えたいなら → インクラインプレスが最適!

広背筋を最大に使うなら → 腕を少し前に出した位置で引くと効きやすい!

下部狙いの大胸筋トレ → デクラインやクロスオーバーで腕を内側へ引く!

肩周りの筋肉は奥が深く、角度次第で「効く・効かない」が大きく変わります。
フォームにこだわって、より効果的なトレーニングをしていきましょう!

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