活性酸素は本当に悪者?抗酸化だけでは語れない“体に必要な役割”とは

こんにちは!

パーソナルトレーナーの井上裕司です。

このブログは、パーソナルトレーナー・医療従事者・専門的に学びたい方を対象とした内容を発信しています。

「活性酸素は体に悪い」「老化や疲労の原因」
そんなイメージ、ありませんか? 確かに活性酸素には細胞を傷つける側面があり、運動時の疲労や病気とも関係があるといわれています。

でも実は、活性酸素は悪者一辺倒ではありません。
むしろ体にとって必要不可欠な役割も担っているのです。

今回は、そんな「活性酸素」の本当の姿と、摂りすぎ注意の抗酸化剤の話も交えて、バランスの大切さをご紹介します。

💥活性酸素=悪者?確かに悪い面もある…

まず前提として、酸素は非常に反応性が高い物質です。
私たちが呼吸で取り込んでいる酸素の一部が「活性酸素種」となり、周囲の細胞を傷つけてしまうことがあります。

特に運動中は、筋肉での代謝が活発になり、活性酸素の発生が増加。
これが筋肉のカルシウム代謝を邪魔して、筋収縮を妨げ、疲労感の原因になるともいわれています。

だからこそ、活性酸素を「悪者」として、体を守る抗酸化システムの重要性が語られるのです。

🧬ヒトは活性酸素の防御力が高い?

実は人間の体には、もともと活性酸素に対する防御システム(抗酸化機構)が備わっています。
このシステムが非常に優れているため、人間は他の哺乳類に比べて寿命が長いともいわれています。

そのため「抗酸化成分を摂ると若々しく健康で長生きできる」といった情報があふれ、
ビタミンCやE、ポリフェノールなどを積極的に摂る人も多いですよね。

⚔ でも、活性酸素は完全な「悪」ではない

ところが、活性酸素がまったくないと困るのも事実です。

たとえば、白血球は活性酸素を武器にして外敵(細菌など)と戦っています。
また、筋肉においても、活性酸素は適度に存在することで正常な筋収縮をサポートしているという報告があります。

さらに最近の研究では、トレーニングによる筋力や持久力の向上にも、活性酸素が関与している可能性が示唆されています。

なんと、運動と一緒に抗酸化サプリを摂ると、トレーニング効果が下がるかもしれないというデータもあるのです。

🔄結論:活性酸素と抗酸化の関係は「バランス」が大事!

まとめると、

・活性酸素には細胞を傷つけたり、疲労を促進する「負の側面」がある

・でも、免疫機能や筋肉の調整など、「必要な働き」もしている

・抗酸化物質を摂りすぎれば、逆に身体の自然な適応力を妨げるかもしれない

つまり、活性酸素を「悪者」、抗酸化物質を「正義の味方」とする単純な見方ではなく、
全体のバランスを考えることが大切なのです。

✅健康情報に振り回されないために

「活性酸素=悪」「抗酸化剤=正義」という構図は、わかりやすいですが一面的です。
本当に大切なのは、体の自然な仕組みを尊重し、必要以上に干渉しないことかもしれません。

食事・睡眠・運動など、基本的な生活習慣のバランスを整えたうえで、
必要な場面でサプリや抗酸化成分を上手に活用しましょう。

※本記事は、NSCA-CPT(全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)の資格を有する講師によって、科学的根拠と実務経験に基づいて執筆されています。

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