💪ヒューター三角、ヒューター線とは?肘のケガを見抜く整形外科的ランドマーク

こんにちは!

パーソナルトレーナーの井上裕司です。

このブログは、パーソナルトレーナー・医療従事者・専門的に学びたい方を対象とした内容を発信しています。

肘の痛みや変形、見逃していませんか?

肘関節は、日常生活でもスポーツでも酷使されやすい関節です。
転倒による骨折、スポーツによる靱帯損傷など、肘の障害は見た目ではわかりづらいことも。

そんなとき、骨の位置関係から肘関節の異常を見抜く方法があります。
それが「ヒューター三角(Hueter’s Triangle)」の活用です。

🔺ヒューター三角とは?

ヒューター三角とは、肘関節後面にある3つの骨の突起を結んでできる三角形です。

📍構成する3つのポイント

・肘頭(ちゅうとう):肘の一番出っ張った部分(尺骨の後方)

・上腕骨内側上顆(ないそくじょうか):肘の内側の骨の突起

・上腕骨外側上顆(がいそくじょうか):肘の外側の骨の突起

🧠正常と異常の見分け方|「ヒューター三角」と「ヒューター線」

肘を伸ばした状態では
 ➡️ 3点は一直線に並び、これをヒューター線(Hughston’s Line)と呼びます。

肘を直角に曲げた状態では
 ➡️ 3点は三角形のような形(ヒューター三角)を形成します。

✅ 三角形が崩れていたり、左右差がある場合は、骨折や脱臼などの外傷を疑う重要なサインになります。

🩺臨床での活用例

✅ 上腕骨顆上骨折や肘関節脱臼の早期発見に

転倒後に肘の腫れや痛みがあるとき、
ヒューター三角やヒューター線の整列異常があれば、骨折・脱臼の可能性が高まります。

✅ 小児の外傷評価にも有効

成長期の子どもは骨が柔らかいため、三角形が正常でも骨折が隠れているケースもあります。
逆に三角形が崩れていれば、早期にレントゲン検査を行う判断材料になります。

🏋️‍♂️トレーナー・リハビリ職にとっての意義

ヒューター三角やヒューター線を評価できれば、ケガの重症度や緊急性の判断がしやすくなります。

その結果、次のような判断が可能に:

・病院受診の必要性

・トレーニングの継続可否

・テーピングやリハビリの優先順位決定

✅ヒューター三角を“触って見える”力をつけよう

ヒューター三角・線を視覚と触覚で確認する習慣を持つことで、
🦴「骨の並び」から「関節の状態」を見抜く力が養われます。

それは、信頼されるトレーナー・治療家・セラピストになる第一歩です。

📝まとめ|ヒューター三角とヒューター線で「肘を診る力」を鍛える

・ヒューター三角は肘関節を評価するための基本かつ重要なランドマーク

・ヒューター線は伸展位での観察ポイントとして有効

・肘の外傷を見逃さず、的確な判断と対応を行うために、
🧠 ヒューター三角&線を現場でしっかり活用していきましょう。

※本記事は、NSCA-CPT(全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)の資格を有する講師によって、科学的根拠と実務経験に基づいて執筆されています。

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