pH値とホスホフルクトキナーゼの関係
こんにちは!
パーソナルトレーナーの井上です。
生理学の基本的な知識は、すべての運動指導者にとって必要な科目です。
少しでも参考になればと思いますので、是非ご覧ください。
ホスホフルクトキナーゼの活性化
乳酸をたくさん出すには、酸素が関係しているのではなく、糖質をいかに分解させるかです。
そのことは、糖質を分解するのに必要な酵素からみることもできます。
まずグリコーゲンの分解にはグリコーゲンホスホリラーゼが必要です。
グリコーゲンホスホリラーゼは運動強度の変化により、不活性型から活性型に変化します。
この活性型に変化することにより、グリコーゲンの分解が活発になるのです。
グリコーゲンの分解が運動強度の変化に関係しているのは、
強度の高い運動時にたくさんできるADPや無機リン酸が関係してきます。
強度の高い運動 → ADP、無機リン酸の産生 → グリコーゲンの分解
またグルコースの分解に必要なホスホフルクトキナーゼという酵素によっても、ADPや無機リン酸が活性化されます。
ホスホフルクトキナーゼはpH値によっても変化しやすく、pH7.0になると活性化が大きく低下することが知られています。
ここでこういった考えが生まれます。
①pH値が低下すれば、ホスホフルクトキナーゼが活性化されず糖質の分解がなかなかされない。
②乳酸の蓄積により、pHが低下すると糖質の分解がなかなかされない
こういうふうに考えてしまいますね。
実際はどうなのでしょうか?
たしかに、強度の高い運動で乳酸が分泌されpH値が下がると酵素が働きずらくなりますが、実はそれと同時に酵素を働きやすくさせるADPと無機リン酸のたくさんできるので、
pH値が下がると、酵素が働かなくなるとは言えないのです。